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JFLクラブが学生の“人間育成” 「サッカーの強化有りきではない」ティアモ枚方の挑戦
【インタビュー】JFLティアモ枚方・村島代表取締役に訊く“新たなチャレンジ”
JFL(日本フットボールリーグ)のFCティアモ枚方が、大学、スポンサー企業と連携し、新たな取り組みを始める。テーマは「サッカーを通した人材育成」。選手を育てるだけでなく、社会で活躍できる人間育成にも携わる。サッカークラブとしては異例と言えるこのチャレンジの意義やビジョンを、代表取締役の村島孝史氏に訊いた。(取材・文=Football ZONE web編集部・橋本 啓)
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ティアモ枚方は、枚方市・寝屋川市・交野市を中心とする北河内地域をホームタウンとし、将来的なJリーグ昇格を目指すクラブの1つ。昨年1月、名古屋グランパスなどで活躍した小川佳純氏(37歳)を監督へ招聘すると、全国地域サッカーチャンピオンズリーグで優勝し、JFL昇格を果たした。
現在はJFL初年度のシーズンを戦う一方、来年からサッカークラブとしては画期的な取り組みをスタートさせる。2022年4月より設けられる「大阪信愛学院大学」(男女共学の4年制)男子サッカー部の一部運営を受託し、スポンサー企業と連携しながら学生の進路や就職に対して支援をする、というものだ。
代表取締役の村島氏は「大学にサッカーだけをしに来るのではありません。ベースにあるのは人間教育という部分。そこへサッカーが乗ってくるイメージです」と、端的に説く。サッカークラブである以上、選手の育成にも力を注ぐが、あくまでベースとなるのは人間としての育成。「4年間で関西ナンバーワンになるとか、サッカーの強化有りきでやっていくわけではありません」。
ティアモ枚方は現在、ジュニア(小学生年代)、ジュニアユース(中学生年代)を有すほか、地域のスポーツ・サッカー普及の一助となるべく各地域団体への巡回指導も実施している。一方で、大学サッカー界への進出は初の試みだ。そこで今回、人間育成へと舵を切った経緯について、村島氏は「子供たちが夢を抱いて、人材育成によって地域に還元できる社会人をしっかり育てたかった」と明かす。
学生たちのリアルな声に耳を傾ける中で、「将来、何をしたらいいか分からない子が多い」との印象を受けたことも大きく影響している。「もっとできることがあるんじゃないか」と思っていた中で、大学、スポンサー企業との思いが上手くマッチング。新たなチャレンジが決まった。
「学生に早い段階から選択肢を与える、学生側から見れば視野を広げるという言葉になるんですけど、そこは大事だと思っているんです。自分で進むべき道を見つけるのはなかなか難しいと思うんですけど、それが早い段階で分かるのであれば、スペシャリストになる可能性もある。その道に進みたいというのであれば、僕たちの周りの企業さんを巻き込んで道を切り開いてあげられますしね」
サッカー部員は大学で教育学部、看護学部のいずれかに所属。サッカーだけでなく、勉強にも集中できる環境を整えることも欠かさない。将来を見据えて、在学中からスポンサー企業や社会人との交流などをして、社会人になるための準備も行っていく。