J1リーグ連覇の川崎に宿る“競争サイクル”とは? 「鬼木さんもきちんと見ている」
主将のDF谷口彰吾が連覇の要因に言及 「チームが良い勝利をしても…」
川崎フロンターレで主将のDF谷口彰吾は、今季のリーグ優勝を決めた3日のリーグ第34節、浦和レッズ戦を終えると連覇の要因の1つにチーム内競争の激しさを挙げた。
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川崎は前半33分にDFジェジエウが先制点を奪ったが、後半44分に同点ゴールを許して1-1で引き分けた。しかし、2位の横浜F・マリノスがガンバ大阪に0-1で敗れたため、残り4試合で勝ち点差が13に開いて優勝が決定した。
ここ5シーズンで4回目の優勝であり、2回目の2連覇というシーズンだったが、谷口は「勝ち点差、積み上げ方を見ると良い結果だったと思われるだろうと感じるけど、やっている側は必死でギリギリの勝つかどうかの試合を勝ちに持ってくることをやってきた結果だと思う」と、決して楽なシーズンではなかったと話す。
特に、リーグ戦との同時優勝も狙ったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)との並行日程については「日程が厳しくなるのは理解していたけど、始まってみて連戦をして、隔離しながらのリーグ戦も経験して、簡単ではないと感じた。リーグとACLという大きな目標を掲げたけど、力不足とは感じた」と、今季の中でも悔しさの残る部分を話している。
一方で、昨季限りでプレーの面でも精神的な面でも大黒柱だったMF中村憲剛が引退し、MF守田英正は海外移籍。シーズン中にはMF田中碧とMF三笘薫が海外移籍したチームにあってもこうした結果を残せた要因に、主将の谷口はチーム内競争を挙げた。
「このチームは競争が激しい。誰が出ても良い結果を残すサイクルを意識している。鬼木さん(監督)もそういうところをきちんと見ている。チームが良い勝利をしても、個人のパフォーマンスを分析している。そういう中で新しくチャンスを得る人、チャンスが回ってこなかった人もいる。今シーズンは三笘薫と田中碧が移籍。中心選手なのでいなくなると奮起を促さないといけない。そこで新しくチャンスをもらった選手が成長した」
実際にこの浦和戦では、大卒ルーキーのMF橘田健人がスタメン出場から試合終了直前までプレー。さらにMF脇坂泰斗は絶対的なレギュラーに成長し、MF旗手玲央はインサイドハーフとしてプレーの幅も広げた。この試合では出場機会がなかったが、20歳のFW宮城天が豪快なミドルを決めて勝利に導いた試合もある。移籍だけでなく、谷口自身も含む主力の負傷があってもすぐに次の選手がチャンスをものにすることで選手層の厚さを感じさせた。
それだけに谷口は「そのチャンスを自分の力にして勝たせられる存在になっていったのが、一緒にやっていて頼もしく感じた。そういう選手が、特に後半戦に入ってから次から次に出てきたのが、チームの結果に良いものをもたらした。それを頼もしく感じたし、続けないといけないと感じた。競争のレベルはまだ上げていけると思うので、そこにこだわりながらレベルを上げていきたい」と、若手を中心とした突き上げについて話した。
来季は再びアジアとリーグの二兎を追うことになる川崎だが、チーム内競争による選手層の強化がその偉業達成へのカギになりそうだ。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)