名古屋、ルヴァン杯優勝の要因は? 指揮官が語る5つの変幻自在システムと修正力
コロナ禍での戦いに「忘れてほしくないという思いで言っている」
実際、ボール保持率は圧倒的にC大阪が高い試合だったが、最終ラインをまとめた中谷も「自分たちらしく前半をゼロで抑えて後半勝負に持っていこうと。どうしても堅い試合になって面白みには欠けたと思うけれども、それが僕たちだし、築き上げてきた戦いをできたと思う。僕たちの戦い方ができているという感じだった。相手は攻めあぐねて、シュートもそこまで危ないものはなかったと思う。若干、前半の戦い方で疲労は来たけど、ネガティブなところはなかった」と、守備から組み立てた試合を振り返った。
これによって名古屋はルヴァン杯を初制覇し、リーグ戦と天皇杯を合わせた国内三大タイトルをコンプリートした。フィッカデンティ監督も「グランパスに唯一足りなかったタイトルを勝ち取れた。国内で取れる可能性のあるトロフィーを一度は勝った状態になれた。そこはグランパスもこだわっていたところなので嬉しい」と力を込めた。
今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場したこともあり、新型コロナウイルスへの感染対策で隔離生活を経験している。この決勝戦も、韓国から帰国後の14日間の隔離中で通常と同じ準備ができたわけではない。
フィッカデンティ監督は「世の中がこうであるなかでサッカーをさせてもらっていることに私も選手たちも、感謝したい気持ちがある」としたうえで、「隔離のことは、選手たちがファイナルを戦う状況で通常のサッカーに取り組めないなかでもやっていることに誇りを持ってもらいたい、忘れてほしくないという思いで言っている」と、こうした状況の中でもタイトルを勝ち取った選手たちを称えていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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