京都×山口の”幻ゴール”は「入っている」 J副理事長が示す”疑惑のジャッジ”抑制策
原博実氏、「Jリーグジャッジリプレイ」で京都側へのノーゴール判定に言及
J2リーグ第35節の京都サンガF.C対レノファ山口戦(1-1)で、京都側に疑惑のジャッジが下され波紋が広がった。スポーツチャンネル「DAZN」で配信された「Jリーグジャッジリプレイ」でこのシーンが取り上げられ、原博実Jリーグ副理事長が見解を述べている。
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問題となったのは、1-1のスコアで迎えた後半43分のシーンに対するジャッジだ。敵陣ゴール前へ攻め込んだ京都は、ペナルティーエリア内でパスをつなぎ、最後はDFヨルディ・バイスが右足を一閃。強烈なシュートはクロスバーに当たり、落下したボールを相手GKがキャッチした。
主審はノーゴールとジャッジし、試合はそのまま続行。しかしこのシーンをスロー映像で見ると、シュートの落下地点がゴールラインより内側にあるようにも見えたことから、試合のハイライト映像が公開されたJリーグ公式YouTubeチャンネルには、ファンから「明らかに入ってる」「議論の余地なくゴール」などの声が寄せられていた。
Jリーグで話題となった判定シーンを取り上げる「Jリーグジャッジリプレイ」の最新回でも、このジャッジをピックアップし検証。元国際審判員の奥谷彰男氏は、副審側が判断することについて「シュートを打った瞬間にゴールライン上に行けるかと言ったら行けないですから、どうしても斜めの角度でしか判定ができない」と指摘し、現状では正確なジャッジを下すことが厳しい体制であることを説いた。
また、Jリーグ副理事長の原氏は「僕は入っていると思います」と、このシーンへの率直な見解をコメント。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されていないJ2リーグの「盲点だった」と指摘しつつも、費用面の問題からVARやゴールラインテクノロジーの導入が厳しい状況にあることも伝えた。
一方で、この問題の改善策としてアディショナル・アシスタント・レフェリー(AAR)をJ2リーグに導入するのは一つの手だとも示している。AARとは追加副審のことで、得点の見極め、ペナルティーエリア内での事象に対する判定の精度向上を図ることを目的に、ゴールライン上に副審を置くことを指す。
「AARを1人立たせて置くことによって、入ったかどうかの判定とか、ペナルティーエリア内での著しく不正な判定とかに、抑止力があるっていうのが前回やった時は出ていた。それを今は一切やめてしまった。例えば、J2は導入してみるとか。1年間やってみてデータを全部出してVARとどう違うのかを出してみたいと思っている。なかなか審判の人数が足りないというところがあるんですけど、J2あたりはAAR入れたいなという思いがある」
AARは2016年から17年にかけて、Jリーグチャンピオンシップやリーグカップ、J3リーグの一部試合で導入された実績がある。J2リーグではたびたび判定への議論が起こることもあり、来季に向けた対応が注目される。