最下位転落の横浜FC、希望を感じさせる4戦10発の得点力 鍵を握るゲームコントロール
松尾は攻撃面での貢献を誓う「1点でチームを変えられるようなパフォーマンスを」
しかし、後半26分に3バックの一角を務めていたDFガブリエウが負傷交代したことと、湘南も次々に交代選手をピッチに送り込んだことで、「その変化にうまく対応できなかった」と松尾は唇をかんだ。
「失点する前は、相手によってどう対応するかが曖昧になっていることが多い」
その言葉通りに後半33分、松尾も守備に振り回された左サイドからクロスを入れられ、FW大橋祐紀のゴールで同点に追いつかれる。その後はホームのあと押しを受けた湘南に圧倒的に押し込まれ、自陣から出られなくなった。そして、後半44分にCKからMF山田直輝に痛恨の逆転弾を許し、残留圏は再び遠のいた。
試合後の会見で松尾は、「絶対に勝たなければいけない試合を負けてしまった。非常に悔しさが残る」と率直に感想を述べた。
「相手の勢いに飲まれてしまった部分もある。そこを押し返せれば良かったけど、押し返せなかったのが敗因」
もしも、バタバタとした湘南のペースに付き合わず、中盤から前でもう少し時間を作るようなプレーができれば……。あるいは焦る相手にトドメを刺すべく、嫌なところを徹底的に突いていくことができれば……。もちろん湘南が素晴らしいハードワークでそれをさせなかったのも事実だが、やはりゲームコントロールの部分は、「メンタル、戦術含めて、コントロールできなかったことがすべて」と早川知伸監督も重く受け止めている。
これで残り5試合で残留圏との勝ち点差は「6」。ついに勝ち点差が残り試合数を上回った。厳しい状況だが、まだ希望を感じさせるのは、攻撃陣はここ4試合で10得点を挙げていることだ。勝ち点3を取るしかない状況で、点が取れないなら絶望的だが、点を取れている限りは希望がある。「難しい、堅い試合になっても、今日のようなゴールでこじ開けられたら。チームがどんな状態であっても、1点でチームを変えられるようなパフォーマンスを出していきたい」とエース松尾は力強く語った。まだ諦めてはいない。