シンデレラ・ガール復活なるか 高倉ジャパン復帰に川澄が選んだシアトルという選択肢
「移籍したから上手くなるとは思っていない」
苦境の中で、シアトル・レインからのオファーが届いた。フランスのモンペリエからなでしこジャパンでともに戦ってきたMF宇津木瑠美が同じタイミングで加入し、GKには女子世界最強GKホープ・ソロを擁する強豪チームだ。川澄にとっては、2014年3月から8月までプレーした経験のあるチームだ。その当時には、リーグのベストイレブンにも選出される活躍を見せている。抜群のスピードと局面打開力に優れる好調時の自分を思い出し、プレーに再度磨きをかけるにはうってつけの場所だと言えるのかもしれない。
「移籍したからといって、何かがなんとなく上手く行くようになるとは全く思っていません。これからまたSeattle Reign FCで仲間と戦い、相手と戦い、自分と戦っていかなければなりません。今よりも厳しい状況になる可能性があることも覚悟の上です。この決断をするまでに、色々な葛藤もありました。でも決めたからには、自分の決断に責任を持って、努力していきます」
川澄と同じ攻撃的なポジションには抜群の突破力と決定力を持つアメリカ女子代表MFメーガン・ラピノーも所属する。14年当時は攻撃的なポジションで共闘したが、ポジションを争う可能性もある。そうした状況になることも覚悟の上での決断をしている。
「もう一度上を目指してチャレンジしたい」とブログに思いを綴った川澄はなでしこジャパンへの思いは強く持っている。アメリカの地でもう一度輝きを取り戻す。それは高倉監督に必要な戦力であることをアピールし、なでしこ復帰への道を切り開くことにつながるはずだ。
【了】
ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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