シンデレラ・ガール復活なるか 高倉ジャパン復帰に川澄が選んだシアトルという選択肢
INACで出場機会失い、なでしこからも外れる苦境
失意の“シンデレラ・ガール”はなでしこジャパン復帰へ向けてアメリカでの再出発を決断した。17日、INAC神戸レオネッサの元なでしこジャパンFW川澄奈穂美が自身のブログを更新し、アメリカのシアトル・レイン移籍を発表した。
川澄の名が一躍知れ渡ったのは、11年ドイツ女子ワールドカップ準決勝のスウェーデン戦だった。1点ビハインドを追いつく同点ゴールに、鮮やかなループシュートと2ゴールの活躍でチームを決勝に導いた。決勝のアメリカ戦でも延長120分にPK戦までのフル出場でなでしこの初優勝に貢献。「シンデレラ・ガール」として名を馳せた。以来、なでしこジャパンのレギュラーに定着し、スピードあふれるアタッカーとして中心選手と認識されてきた。
しかし、今季は失意のシーズンを送っていた。「ここ最近も自分自身が納得のいく形で試合に出場できていませんでした。それが今の自分の実力だと痛感しています」ブログ上でそう綴ったように、近年の川澄は出場機会を失い、厳しい評価を受けることが増えていた。
昨年のカナダ女子ワールドカップでは、決勝のアメリカ戦で1-4と3点を追う前半39分で交代を命じられた。2月から3月にかけてのリオデジャネイロ五輪最終予選では、スタメン出場した開幕2戦で1分1敗と結果が出ず、3戦目にはベンチスタートとされた。 なでしこジャパンはリオ五輪出場を逃し、高倉麻子監督に交代した。高倉ジャパン初戦となったアメリカとの敵地2連戦で、川澄は招集されなかった。
所属のINACでも今季はフル出場が開幕からの3試合のみになっていた。上位を争う日テレ・ベレーザとの対戦では、1点を追う状況で交代を告げられた。昨季限りでチームの大黒柱だった澤穂希さんが現役を引退し、なでしこジャパンでもINACでもチームの中心としてプレーしなければならないという責任感の反面、パフォーマンスはなかなか上がらなかった。