EURO初勝利の歓喜の裏で悲劇… 北アイルランドサポーターの62歳男性がウクライナ戦のスタンドで急死
相次ぐサポーターの死に、サッカー協会CEO「悲しい結末です」
欧州選手権(EURO)で記念すべき初勝利を挙げた北アイルランド代表が悲しみに包まれた。グループリーグ第2戦ウクライナ戦を2-0で勝利したが、その試合を観戦に訪れた62歳のサポーターが観戦中に急死する悲劇が起きた。英「BBC」が報じている。
北アイルランドは初戦のポーランド戦に0-1で敗れ、決勝トーナメント進出のためにはウクライナ戦は絶対に負けられない一戦となった。その逆境の中でイレブンは奮起。後半4分にDFガレス・マコーリーが先制弾を奪った。後半途中には激しいヒョウが降って試合が一時中断したが、粘り強い戦いぶりでウクライナの反撃を封じ、後半アディショナルタイムにはMFナイアル・マクギンが試合を決める追加点を奪って勝利。第3戦へ望みを残した。
強敵ウクライナを破る大番狂わせを果たし、チームにとって待望の初勝利となったが、スタンドでは悲劇が起きていた。首都ベルファストからはるばるスタジアムに応援に駆けつけた62歳の男性が、18時ごろに心臓発作を起こし、意識不明となったという。会場のメディカルスタッフがスタジアム内で蘇生しようとしたものの、その後死亡が確認されたという。
北アイルランドは初戦後にも一人のファンが命を落としている。24歳のファン、ダレン・ロジャースさんが月曜日の朝にニースの遊歩道で転落死するという痛ましい事故が起きている。この悲劇を受けてウクライナ戦の北アイルランド代表の選手たちは喪章をつけてプレー。前半24分にはファンの死去を悼んでサポーターから拍手が起きた矢先の悲劇となった。
北アイルランドサッカー協会CEOのジョン・デラニー氏は試合中の悲報に「北アイルランドのサッカーにとって歴史的な日であったのに関わらず、悲しい結末です」と声明を発表。「彼とともに4年前のEURO2012に死去したジェームス・ノーランさん、そしてダレン・ロジャースさんの友人や家族に寄り添います」と命を落としたサポーターに哀悼の意を捧げている。
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ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images