「イブラヒモビッチという問題が存在する」伊代表指揮官とブッフォンがカリスマの12年越しの衝撃弾を警戒
「ゲームのバランスを変えてしまう存在」
一方でブッフォンは、イブラヒモビッチの実力を認めつつも一人に集中してしまうことのマイナス点を語っている。そして、対戦を楽しみにする気持ちもあるという。
「彼はスウェーデンの攻撃陣の1人であり、11人の1人として警戒すべき選手だね。スウェーデンは決してイブラヒモビッチだけのチームではないんだ。それを忘れてはいけない。当然ながら、彼の才能やメンタルの強さ、自分を信じる気持ちの強さとでもいうのか、それは他の選手にはマネできないものだ。だけど、僕にとってはピッチ上に発生する嬉しい問題だとも言えるね」
今をさかのぼること12年前、イタリアとスウェーデンはEURO2004でも同じグループになりこの時もグループステージ2戦目で対戦した。アレッサンドロ・デルピエロ、クリスティアン・ヴィエリ、アンドレア・ピルロらスーパースター擁する優勝候補イタリアが圧倒的に攻め込みながらも、FWアントニオ・カッサーノの1得点に止まる中で迎えた後半40分、イブラヒモビッチはゴール前のこぼれ球に反応すると、ゴールに背を向けたまま後ろ回し蹴りのようなトリッキーなシュートで同点ゴールを決めた。この時のGKもブッフォンだった。イタリアはGSで勝ち点5で3チームが並ぶ展開で、得失点差で3位となり、決勝T進出を逃した悪夢を経験していた。
当時アヤックスに所属する22歳の若手だったイブラヒモビッチも、今や世界最高級の評価を得るカリスマストライカーとなった。地元紙は「怖くない」と決戦を煽りながらも、名将と名守護神は最大級の警戒と敬意を寄せている。優勝候補の一角ベルギーを封殺したイタリア守備陣と鉄壁守護神ブッフォンはイブラを封じ込め、12年前の悪夢を払拭することができるだろうか。
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ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images