「考えもしないことが起きた」 オランダ1部NEC、アウェースタンド崩落でCEO愕然
NECのファン・シャイクCEOは「最悪の事態を避けられたことだけが良かった」と安堵
オランダであわや大惨事となるスタジアムのスタンド崩落事故が起きた。現地時間17日に行われたオランダ1部リーグ第9節NECナイメヘンとフィテッセの「ヘルダーラント・ダービー」は、アウェーのフィテッセが1-0で勝利を掴んだが、その試合後の出来事を米スポーツ専門局「ESPN」が報じている。
試合後、選手たちはアウェーのスタンドに集まったファンの前で肩を組み、勝利を報告。その際にピッチ上の選手と、スタンドのファンが同時にジャンプをしたのだが、その時に事故は起こった。フィテッセファンが密集していたスタンド最前部が中央でV字型に崩落したのだ。
スタンドがもう少し高い位置にあったり、より広範囲にわたってスタンドが崩れて多くの人が巻き込まれていたりしたら、それこそ大惨事になっていただろう。だが、不幸中の幸いだったのは、スタンドは折れてしまったものの、ファンのなかに負傷者はいなかったため、彼らはその後も拳を突き上げて喜び、歌い続けていたのだ。オランダメディアの報道でも、負傷者などは出ていないという。
とはいえ、ホームのNECやスタジアムの管理者は、事態を重く受け止めている。NECのCEOであるウィルコ・ファン・シャイク氏は、「見た通りのことが起こってしまった。このようなことが起きるとは想像できなかった。私はスタジアムの責任者と状況を見てきた。何が起こったのか調査しないといけない。考えもしないことが起きた。(怪我人が出る)最悪の事態を避けられたことだけが、良かったよ」と、語っている。
また、「ESPN」は、現地にいたフィテッセのサポーターの「全員が無事にバスに乗れたよ。幸運にも怪我人は誰もいなかった。ただ、恐怖だったけどね。雰囲気は最高だったよ。みんな無事に家路につけるんだ。僕たちは勝利した。それが最も重要なことだよ」というコメントも紹介している。
映像を見る限り、負傷者が出なかったのは奇跡的なことにも思える。コロナ禍から人々がようやく日常を取り戻し始めているなか、世界中のスタジアム管理者は、気を引き締めて安全を確認しなければいけないだろう。