データで検証するハリルジャパンの現在地 欧州勢相手に見せた“二つの顔”とは
ボスニアにはチャレンジの勝率で完敗
そして7日に、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦を迎えた。初タイトルが懸かったこの試合は、ハリルホジッチ監督の母国との一戦でもあり、本当に勝ちたかった試合だったに違いない。本田とドルトムントMF香川真司という主軸を欠いた試合で、1-2という試合結果に終わった。その敗戦の裏側には何があったのか。
初戦と、同様のデータから分析してみたい。
初戦と比較して、データが大きく変化していることが一目で分かる。日本の枠内シュート数は12本から4本と3分の1まで減少。一方、相手の枠内シュートは4本から8本と倍になっている。また、相手よりもシュートブロックされてしまう本数が多い。特に2戦目は16本のシュートのうち7本、44%という確率でシュートブロックされている。
トップレベルの相手では、対峙するDFやマーカーのクオリティーはさらに上がっていくはずだ。日本がシュートを打つ場面でのプレッシャーは高まり、シュートが阻まれる。あるいはシュートの場面の判断力とスキルが原因で、無理な状況でも打ってしまい、結果的にブロックされてしまうこともある。
一方、試合後に号泣した浅野琢磨(広島)のように、打つべきタイミングで消極的なパスを選択し、後悔する選手もいる。つまり、ゴール前におけるプレーの判断にも課題があるということになる。
デュエルを強調するハリル監督だが、ブルガリア戦では両者にデュエルの差はなかったが、このボスニア戦ではどうだったのだろう? データを見る限り、チャレンジ全体の勝率、攻撃時、守備時それぞれのチャレンジ、空中戦、地上戦といずれも大きく負け越してしまっていた。
デュエルの勝敗は単なる1対1の勝負にとどまらない。そこで奪ったボールを攻撃に繋げるプレーは 、奪いに来た相手を残して数的アドバンテージを持って効果的に攻撃することが可能になることが多い。