「筋は通っていない」 仏代表ムバッペの決勝弾、“オフサイド見逃し”にスペイン代表MFが不満

決勝ゴールを決めたフランス代表FWキリアン・ムバッペ【写真:AP】
決勝ゴールを決めたフランス代表FWキリアン・ムバッペ【写真:AP】

スペイン代表MFブスケッツがテイラー主審の判定に不満吐露

 UEFAネーションズリーグの決勝が現地時間10日に行われ、フランスがスペインに2-1で逆転勝利し、同リーグ2代目王者となった。この試合では決勝点となったFWキリアン・ムバッペのゴールがオフサイドだったのでは、と議論を呼んでいる。スペイン代表の主将MFセルヒオ・ブスケッツは試合後に判定への不満を漏らしている。

 試合は、準決勝で欧州選手権(EURO)王者イタリアの下したスペインが後半19分にブスケッツの縦パスにFWミケル・オヤルサバルが決めて先制。それに対し、フランスも失点から2分後にFWカリム・ベンゼマがペナルティーエリアの左端から右足のミドルシュートを決めて同点に追いついた。

 互いに譲らない接戦のなかで決勝点が生まれたのは後半35分。フランスが左サイドからチャンスを作り、DFテオ・エルナンデスが前線に走り込んだムバッペにスルーパスを送った。カバーに入ったスペイン代表DFエリック・ガルシアが右足を伸ばしてボールに触れるもクリアはしきれず、パスを受けたムバッペはそのままGK1対1に持ち込み、左足でゴールネットを揺らした。スペイン代表の選手はムバッペがオフサイドポジションにいたと主審に抗議したが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックでもゴールは認められ、フランスが逆転に成功した。

 リプレー映像を見ても、エルナンデスのパスが出た瞬間にムバッペの体はスペインの最終ラインよりも飛び出しているように見える。しかし、スペイン紙「マルカ」によれば、アンソニ・テイラー主審はE・ガルシアが意図的にプレーし、そこで触れたボールがムバッペに渡ったためにオフサイドではないとスペインの選手たちに説明したとされている。

 オフサイドに関する競技規則には「オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けた時、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。ただし、意図的なセーブからのボールを除く」とあり、ガルシアがパスカットを試みて足を伸ばしたことがこれに該当するようだ。

 これに対し、ブスケッツは試合後、スペイン公共放送「RTVE」のインタビューでテイラー主審からの説明を受けたことを明かし、そのうえで判定への不満を口にしている。

「ムバッペはオフサイドだったが、レフェリーはエリックがボールを奪いに行ったことで新しい局面になったと言った。しかし、それでも筋は通っていない。彼はムバッペがあそこにいたからボールをカットしようとしたし、ムバッペがオフサイドだと思い込んでいた。ディフェンダーなら誰でもボールをカットしようとするはずだ」

 ネーションズリーグ決勝戦の勝敗を分けたこのゴール。敗れたスペインの選手にとっては納得のいく判定ではなかったようだ。

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