PA内で奪った2得点と敵陣でのポゼッション EURO初戦データに見る世界王者ドイツの充実ぶり
左右、中央のバランスが良かったドイツ
次にアタッキングサードでの攻撃エリアについて見てみよう。
両チームともに、得意なサイドはあるものの、ある程度中央での攻撃の比率が高い。ドイツは右サイドよりも中央の方がわずかに多く、全体の約3分の1の攻撃はだ。中央の堅牢な守備網に対応するための施策の一つがサイド攻撃で、最初からサイドに限定する必要はない。そういう意味でドイツのバランスの良さが見て取れる。
ここで2014年ブラジルW杯の、日本代表の初戦コートジボワール戦における、前後半のデータを見てみたい。
前半のデータは、日本とコートジボワールはまるで逆の攻め方になっている。日本が徹底した左サイド攻撃で、中央突破は17%と非常に低かった。それに対してコートジボワールは中央突破の比率が37.9%と最も高かった。結果的に日本は、比重の高かった左からの攻撃から本田が先制点を奪った。
しかし後半のデータは興味深い。前半バランスの良かったコートジボワールは自分たちの右サイド、つまり長友が前線に上がることの多かった日本の左サイドの裏を突く攻撃を増やした。結果は、その右サイドからのクロス2本からの失点で日本は逆転負け。偏ったストロングポイントには、大きなウィークポイントが隠されていたということになる。