PA内で奪った2得点と敵陣でのポゼッション EURO初戦データに見る世界王者ドイツの充実ぶり
2得点はいずれもゴールから10メートル以内
シュート数、アシスト含むチャンスメーキングのパス数を示すキーパス、枠内シュート数、ペナルティーエリア内でのシュートのどれをとっても、ドイツがウクライナを圧倒している。総シュート数からブロックされたシュートを除き、相手ゴール方向に飛んだシュートのうち枠内に飛んだものを示すシュート精度こそ、両チーム約60%と近い数値だ。しかし、このデータのベースとなるブロックされたシュートを除いた絶対数がドイツ13本対ウクライナ5本とかなり異なるので、同じ約60%といっても、ここでもドイツの優位性は変わらない。
ドイツの2014年W杯での特徴は近距離からのシュートが多く、そこからの得点率が高かったことは、先のフランス対ルーマニア戦の分析の時に紹介した。ドイツは相手ゴールから10メートル以内の短い距離からの得点率が60%を超え、成功率も33.3%とショートレンジのシュートの3本に1本が得点に結びついていたというデータだ。
この日ペナルティーエリア内でのシュートの比率は、全体の60%とドイツにしてはやや低めの数値だったが、それでもムスタフィ、シュバインシュタイガーの得点はいずれも10メートル以内の至近距離からのものだった。
一方、PA内シュート比率が33%だったウクライナと比較すると、ドイツは相手のゴール前に深く侵入でき、ウクライナはそれができていなかったことが分かる。