豪州戦ドローでも――英国人記者が語る森保監督の“解任論”「これだけのタレントを…」

W杯出場の夢は残っている。しかし何かを変えなければ…

 久保建英と堂安律が欠場するなかで、浅野拓磨は自身の役割をよく果たしていた。行き当たりばったりのことも多い伊東純也に比べてもより洗練されていた。一方で、南野拓実はベストな状態ではなく、リバプールで出番が限られている状況に苦しんでいるようだった。

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 前半に大迫勇也が逃した二つのチャンスは決定的なものだったが、最終的には柴崎岳の中盤での不注意なプレーが高くついた。このセントラルミッドフィールダーはサウジアラビアからのプレッシャーによって、たびたびボールを失っていた。

 柴崎のところでアクシデントはいつ起きてもおかしくないような状況で、交代すべきことは明らかだったが、森保監督は彼を使い続けた。後半26分には柴崎から吉田麻也へのバックパスがミスとなり、フェラス・アルブリカンが嬉々として勝ち越しゴールを決めたことで監督のプランは崩れた。

 サウジアラビアはフィジカルの強さで日本に脅威を与えたのは驚きではなかった。特にセットプレーではその強さを遺憾なく発揮した。コーナーキックやフリーキックで長身のディフェンダーがゴール前に上がり、6ヤードボックス(ゴールエリア)にボールを放り込むのはエルヴェ・ルナール監督のチームの定番な戦い方だ。サウジアラビアの伝統ではないが、彼らのことは決して過小評価してはならない。

 今の日本は困難に直面している。確かに3位でもカタールW杯出場の夢は残っている。しかし、オーストラリアとサウジアラビアはすでに日本に6ポイントの差をつけており、グループステージの折り返しまであと2試合しかない。何かを変え、改善しなければならない。

 これだけのタレントを揃えたチームが、このような立場にあってはならない。しかし、森保監督はオリンピックでも才能豊かなチームを率いたが、結果を残せなかった。歴史は繰り返されている。

 早急な改善が必要だ。もしそれができなければ、日本サッカー協会(JFA)の誰かが西野朗に電話を掛けることになるかもしれない。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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