豪州戦ドローでも――英国人記者が語る森保監督の“解任論”「これだけのタレントを…」

サウジアラビアに敗れた日本代表【写真:Getty Images】
サウジアラビアに敗れた日本代表【写真:Getty Images】

サウジアラビアに0-1と敗戦した日本代表、最終予選3試合で早くも2敗

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間7日(日本時間8日)のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第3節のサウジアラビア戦で0-1と敗れた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、森保監督の進退問題に言及。12日に第4節のオーストラリア戦を控えるなか、「たとえ引き分けでも監督の座を失う可能性はある」と主張している。

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 まるで1997年のようだ。日本サッカーが初のワールドカップ(W杯)出場を目指して必死に戦っていた頃、日本代表は無力な監督の下で失望していた。

 当時の加茂周監督はオールドスクールな戦術家だった。彼が指揮したチームは98年フランスW杯アジア最終予選で堅苦しいパフォーマンスを披露したが、選手たちはそのパフォーマンス以上の能力を持っていたはずだった。

 カズこと三浦知良の活躍でウズベキスタンを6-3で破ってスタートした後、チームは低迷し、加茂監督はアジア最終予選の途中で解任された。

 振り返ってみると、当時の日本は4試合を終えて勝点5だった。2002年に韓国とW杯共催を目指していた当時の日本サッカー協会にとってその結果は十分ではなく、加茂監督はチームを去らなければならなかった。では、木曜日の夜にサウジアラビアに敗れた森保一監督はどうなるのだろうか?

 この敗戦の結果、森保ジャパンは3試合で3ポイントしか獲得できていない。火曜日には埼玉スタジアムで首位を走るオーストラリアとの対戦が迫っている。もしこの試合に敗れれば、森保監督は“間違いなく”過去の人になってしまうだろう。たとえ引き分けでも監督の座を失う可能性はあるだろうし、おそらくはそうすべきなのだろう。

 日本のサウジアラビア戦の出来があまりに悪かったというわけではない。サムライブルーはいいフットボールをしている場面も見られた。厳しい環境で、何人かのキープレイヤーを怪我で欠いているなかで僅差の試合だった。中立的な立場の人にとってはオープンな展開で、楽しめる試合だったと思う。

 しかし、だからこそこのような試合ではチャンスを生かし、ミスを犯してはいけない。選手たちは試合に集中しなければいけない。それができなかった選手がいたために、その代償を支払うことになったのだ。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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