フットサルデビューの元日本代表MF松井大輔 「これから面白くなっていきそう」
「フィジカルとか、まだフットサルに慣れていない状況では、このくらいかな」
Fリーグ・ディビジョン1が8日に再開し、Y.S.C.C.横浜と湘南ベルマーレが対戦して、アウェーの湘南が3-1で勝利した。この試合で横浜に加入した元サッカー日本代表MF松井大輔がデビューを果たし、前後半で約3分間にわたってプレーした。初の公式戦を終えて、松井は「これから面白くなっていきそうな気はします。まだまだ初心者のプレーですし、まだまだかなと思います」と、感想を口にした。
松井は2点ビハインドの前半18分、初めてFリーグのピッチに立つと、積極的にドリブルを仕掛け、シュートを放った。この時の気持ちについて、「とりあえず目の前の敵を抜きたいという小学校の時に戻ったような感じでした。相手のDFもすごく速いというか、サッカーと(1対1で相手と)対峙した時の違いは大きい。でも、やっている時はすごく楽しかったです」と語り、久しぶりの公式戦を楽しめたと振り返る。
昨年12月からベトナムのサイゴンFCに所属していた松井だが、新型コロナウイルスの影響で、日本に帰国する8月までの最後の3か月間は自宅で隔離生活を強いられ、ほとんど体を動かせなかった。フィジカルももう一度作り直さなければいけないなかで、約2週間、横浜の練習に参加し、初めてフットサルを体験。練習試合にも出場していたが、この日、初めてフットサルの公式戦でプレーした。
フットサルは、ミニサッカーとも表現されがちだが、トップレベルになると競技の質はまるで変ってくる。むしろバスケットボールやハンドボールの方が、ミニサッカーよりも近い感覚だ。当然、サッカー選手が転向した直後は、その違いに戸惑う。
松井も「やっぱりデュエルのところ、1対1は全然違いますね。まだ2週間くらいしか練習をしていないので、もうちょっと練習をして合わせていきたい」と言い、「一番最初だったので、こんなものかなと感じています。フィジカルとか、まだフットサルに慣れていない状況では、このくらいかなと感じています」と、まだ適応の最中であると語った。
フットサルの試合では、サッカーの試合よりも、ファンと選手の距離が圧倒的に近い。初めてアリーナでプレーした松井は、「(ファン・サポーターも)声が出せたりすると盛り上がるかなと感じました。もう少しコロナが落ち着けば、盛り上がると思う」と、コロナ禍で声を出して応援できないことを残念がりつつも、「こういうなかでフットサルを初めてやらせてもらって、すごく楽しかったですし、期待というか、ワクワクする気持ちが高まりました」と、今後の戦いに向けて前向きな印象を語った。
サッカーのワールドカップにも出場した日本代表経験者が、フットサルに転向するのは初めてのこと。今後、松井がどのようにフットサルに適応していき、サッカーの時と同様に、違いを作り出せる選手になっていくのか。松井の挑戦が、Fリーグ観戦にあらたな魅力や楽しみをもたらしてくれそうだ。
(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)
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