鼻血を流しながら優勝候補ベルギー撃破! イタリアの闘将コンテの執念「勝利のため体差し出す」
新天地チェルシーの主力に手腕見せつけた
このコメントを象徴するシーンが、この試合の先制ゴールの後だった。かつてユーベで指導したMFエマヌエレ・ジャッケリーニ(現ボローニャ)のゴールで前半32分に先制すると、イタリアのベンチ前では歓喜の輪ができた。コンテ監督もその輪の中でともに喜んだが、その際に控えFWシモーネ・ザザの腕が顔に当たり、鼻血を出した。ベンチでトレーナーの治療を受けたコンテ監督は、後半に入っても流れ出る鮮血も意に介すことなくピッチサイドで大声を出して、選手たちを叱咤激励。FIFAランク2位で優勝候補の一角に挙げられたベルギーを撃破したコンテ監督は、ベンチで鮮血をいとわぬ執念を見せた。
「ゴールの後に怪我をした? 勝利を得られるなら、私の体など喜んで犠牲として差し出すよ」
今大会のイタリア代表の下馬表は低かった。セリエAの国際的競争力の低下に加え、パリ・サンジェルマンMFマルコ・ヴェラッティ、ユベントスMFクラウディオ・マルキージオという中盤のタレントが故障で離脱。FIFAランクも12位だった。
だが、前評判の高くない時こそ、しぶとさを見せるイタリアの伝統は生きていた。この大会後にプレミアリーグ強豪チェルシーの監督に就任するコンテ監督は、対峙した新天地のエース、ベルギー代表MFエデン・アザールや守護神のGKティボー・クルトワにその手腕の高さを見せつけた。
求めるものは団結と勝利のみ。闘将の下で一致団結したコンテ軍団は、伝統国としてのプライドを見せつけた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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