伝統の“カテナチオ”がEURO初戦で炸裂! イタリアが難敵ベルギーを2-0で退け白星発進
前評判の低さを覆したイタリア シナリオ通りの痛快な初陣勝利
伝統国のしたたかさが躍進のダークホースを退けた。13日の欧州選手権(EURO)グループE初戦のイタリア対ベルギーは、前半32分に最終ラインからのロングボールに抜け出したMFエマヌエレ・ジャッケリーニ(ボローニャ)のゴールで先制したイタリアが、試合終了間際にFWグラツィアーノ・ペッレ(サウサンプトン)の追加点を奪い2-0で勝利。前評判の低さを覆す白星スタートを切った。
イタリアは大会前の時点でMFマルコ・ヴェラッティ(パリ・サンジェルマン)、MFクラウディオ・マルキージオ(ユベントス)といったプレーメーカーを負傷で失い、苦戦が予想されていた。アントニオ・コンテ監督はGKジャンルイジ・ブッフォンに加え、“イタリア版BBC”とも言われるDFアンドレア・バルザーリ、DFレオナルド・ボヌッチ、DFジョルジョ・キエッリーニといった、自身が率いてリーグ3連覇を果たしたユベントス所属選手を後方に配置。クラブで培ってきた守備力を武器に大会に臨んだ。
最新のFIFAランキングで2位と躍進中のベルギーは、FWロメロ・ルカク(エバートン)、MFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、MFエデン・アザール(チェルシー)、MFマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)といったタレントを攻撃陣に起用した。試合は全体的にベルギーがボールを保持しながらも、イタリアの誇る3バックの前にペナルティーエリア内に侵入させてもらえず。対するイタリアは、前線のペッレへの縦パスを主体に攻撃を組み立てるシンプルな速攻が目立った。
そして、先にスコアを動かしたのはイタリアだった。前半32分、ボヌッチが最終ラインでボールを保持すると、ペッレがボールを受ける構えを見せたところにベルギーDF陣が引きつけられた。その瞬間に背後のスペースに飛び出したジャッケリーニへのロングパスがピタリと通り、ベルギーGKティボー・クルトワ(チェルシー)との1対1を冷静に制したジャッケリーニが先制ゴールを挙げた。
チェゼーナ時代には日本代表DF長友佑都のチームメートとしてプレーし、コンテ監督時代のユベントスでもプレーしたジャッケリーニのゴールにより歓喜に沸くイタリアベンチでは、控えFWシモーネ・ザザ(ユベントス)の腕が当たり、コンテ監督が鼻血を流しながら指揮を執るアクシデントがあったものの、イタリアの1点リードで前半が終了した。