史上初の欧州選手権3連覇へ好発進! スペインが土壇場ピケ弾で難敵チェコを1−0で撃破
チェコGKチェフが鬼神のセーブを連発 あわやスコアレスドロー危機
史上初の欧州選手権(EURO)3連覇を目指すスペイン代表が13日のグループリーグ初戦でチェコ代表と対戦。今季プレミアで最多クリーンシートをマークしたGKペトル・チェフの好セーブ連発に苦しめられたが、後半42分にバルセロナDFジェラール・ピケのヘディングシュートで1−0勝利を飾った。
スペインは開幕直前にスキャンダルが勃発したマンチェスター・ユナイテッドGKダビド・デ・ヘアを先発に起用し、ビセンテ・デル・ボスケ監督は信頼の厚さを示した。一方のチェコは守護神チェフ、MFトマス・ロシツキー(ともにアーセナル)と歴戦のベテランがスタメンに名を連ねた。
立ち上がりこそチェコの激しいプレスに手を焼いたスペインだが、時間が進むにつれて攻撃の圧力を強める。前半16分、右サイドの崩しからシルバが高速ラストパスを送り、モラタがダイレクトで合わせたが、至近距離のシュートをチェフがしっかりとセーブした。
同28分には高い位置でMFセルヒオ・ブスケツがボールを奪うと、MFアンドレス・イニエスタのスルーパスが発動。モラタが左45度からシュート。同40分には怒涛の波状攻撃でDFジョルディ・アルバとシルバがフィニッシュまで持ち込んだが、チェフが鬼神のごとくファインセーブを連発し、前半を0-0で折り返した。
後半キックオフ直後にはイニエスタのアウトサイドパスを起点にゴールに迫ると、右CKからの混戦からDFセルヒオ・ラモスが押し込もうとするなどスペインの攻勢は続く。一方でチェコは右サイドのFKからDFロマン・ヒュブニークが足で合わせるチャンスを迎えたが、シュートは力なくデ・ヘアの手に収まった。
均衡が破れないスペインは同17分にモラタに代えて35歳のFWアリツ・アドゥリスを投入。その3分後にはチェコのショートコーナーからDFゲブレ・セラシエに際どいヘディングを放たれたが、MFセスク・ファブレガスが必死にクリアした。
緊迫したムードが続く中、同30分にはDFフアンフランのクロスをアドゥリスがオーバーヘッドで合わせるが枠を外れた。34分にはチアゴが抜け出しかけたが横パスを選択し決定機を逃した。
スコアレスドローが濃厚と思われた後半42分、ついにスペインが均衡を破った。CKからの流れで左サイドでボールを受けたイニエスタが、絶妙のアーリークロスを上げる。オーバーラップして残っていたピケが渾身のヘディングでチェフの牙城を破り、ついに先制に成功した。
チェフの獅子奮迅のセーブでスコアレスドロー危機だった無敵艦隊はバルサのDFリーダーの一撃で初戦を何とか白星発進を飾った。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images