“神の手”で29年ぶり南米選手権GL敗退のブラジル 窮地のドゥンガは「理解できない」と憤怒

「ヘッドセットで誰と話していたのか」

 ドゥンガ監督は「私の疑問は、ここまでテクノロジーが発展しているのに、我々はまだ間違えを犯す。レフェリーは合議していた。お互いが話し合うべき場面で、どこかの誰かと話していた。なぜ相談にヘッドセットを使わなければいけないのか、理解できない。とても奇妙だ」

 主審はインカムマイクを通じて、状況確認を進めていた。このタッチライン際の一幕に闘将は疑問を呈し、そして解任危機に立たされた。

「私が恐れる唯一のものは死だ。それ以外は恐れない。2014年ワールドカップ後、我々は同じことのリメークをしようとしている。ドイツの長年の働きを称賛する一方で、ブラジルで人々は簡単な方法で問題を解決しようとしている。我々は辛抱強くなければいけない。自分たちの仕事を注視し続ける。会長は我々の仕事を理解している。そして、批判を受けるべき立場であることも理解している」

 バルセロナFWネイマールというスーパーエースはいなかったが、引き分け以上で決勝トーナメント進出を果たせたペルー相手に1点も取れず、もはや王国の威光は消え去った。8月のリオデジャネイロ五輪はU-23世代の大会とはいえ、オーバーエイジとしてネイマールが参戦する。開催国として金メダルを宿命づけられるなかで、次代のセレソンを担う若きタレントは勝ちきれるのか。失墜した王国の威信を取り戻すための大会になるのは間違いない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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