「エッという笛が多い」 闘莉王が警鐘を鳴らす中東の“アウェー感”「何回やっても…」
【W杯最終予選経験者の視点】気候の違いとサウジアラビアの男性サポーター特有の応援は警戒
森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の前半戦の山場となるサウジアラビア戦(日本時間8日2時)、オーストラリア戦(12日19時10分)の2試合に臨む。敵地でのサウジアラビア戦は、紅海に面した第2の都市ジッダでの開催。元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は、この大一番に向けて中東特有の環境や、文化の違いに警鐘を鳴らした。
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「気候的な問題がまず一番大きい」
闘莉王氏は、開口一番そう口にした。サウジアラビアの日中の最高気温は、10月でも30度を超える。「日本とは異なる暑さ」に、どれだけ適応できるかは一つの鍵を握る。アジアサッカー連盟(AFC)は、9月29日にキックオフ時刻が現地時間の午後7時に決定したと発表していたが、今月1日に午後8時に変更となったことは朗報だろう。
そして、「違いすぎる」独特な雰囲気の中で感じる“アウェー感”も乗り越えなければいけない壁だと闘莉王氏は話す。
「オーストラリアや韓国と違って、中東の国ではすごくアウェー感が出る。そういった不安のなかで、結果を出さなければいけない。(最終予選は)ここまで1勝1敗。(9月に)2勝できていたら戦いやすかったと思う。初戦を落としたことで、難しい戦いになる。普段見慣れない光景や、スタジアムの雰囲気。ジャッジはだいぶ変わったと思うが、僕らの時代は『エッ』という笛が多かった。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)も導入されて改善されたとはいえ、アウェー感は本当に凄いと思う」
試合会場となるキング・アブドゥラー・スポーツシティの収容人数は6万人以上で、反町康治技術委員長によると「試合時は6割以上の観客が入る」という。完全アウェーのなかで、サウジアラビアの男性サポーター特有の応援が待ち受けている。
「応援の仕方や、声のかけ方も独特。何回やってもあの雰囲気には慣れない。どれだけ試合に集中できるかと、どれだけ自分たちでお互いを鼓舞しあって一丸となれるか。そういう問題もあると思う」
闘莉王氏はそのうえで、「普段通りの戦いができないことを想定しておかなければいけない。中東は何が起きるか分からない。エッというアクシデントは準備しようと思っても準備はできない。そこは、予想外なのだから。それを少しでも頭にインプットできるか。何があっても動揺しない、何があっても自分たちの戦いをしなければいけない。何が起きても大丈夫という心構えをしておくことが大事になってくる」と、指摘する。