ヴェルナーの苦戦は「信じられない」 元英代表FWオーウェンが同情「すべてが逆風」
VARでゴール取り消し後、約6カ月ぶりのゴールを挙げたドイツ代表FWを称賛
チェルシーのドイツ代表FWティモ・ヴェルナーは、2日に行われたプレミアリーグ第7節のサウサンプトン戦(3-1)で、今年4月のウェストハム戦(1-0)以来、約6カ月ぶりとなるゴールを記録した。現役時代にリバプールやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏は、元ストライカーの立場からこれまで苦戦続きのヴェルナーへ思いを寄せたことを、英紙「メトロ」が報じている。
昨年6月に5000万ユーロ(約65億円)の移籍金でRBライプツィヒからチェルシーに加入したヴェルナーは、加入直後こそゴールを量産したが、シーズン中盤以降は決定機でのシュートミスが目立った。昨季はクラブ史上2度目のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇に貢献し、公式戦51試合で12得点15アシストという数字を残したが、批判を集めることも少なくなかった。
今シーズンも、ここまでリーグ戦ではゴールのなかったヴェルナーは、2日のサウサンプトン戦でも運がないかと思われた。前半の終盤にヘディングからゴールを決めたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の結果、スペイン代表DFセサル・アスピリクエタが得点直前にファウルをしていたと判定され、ゴールは取り消された。それでも、1-1で迎えた後半39分にアスピリクエタのクロスを1タッチで合わせ、今季リーグ戦初ゴールを決め、チームの勝利に貢献した。
オーウェン氏は、「元ストライカーとして、点が取れない時の気持ちは理解できるし、彼はしばらくの間、その感覚と向き合い続けていた。彼がこれまでキャリアを通じて挙げてきた得点数を見れば、ゴール前でこれほど苦しんでいることが信じられないよ」と、ライプツィヒ時代は159試合で95得点を挙げていたストライカーに同情した。
また、前半のゴールが取り消された場面を振り返り「最初のゴールの場面、何も問題はなかったと思った。ところが、得点場面のかなり前までさかのぼって、ゴールが取り消された。その時は『ワオ、すべてが彼にとって逆風だな』と感じたよ」と語った。
さらに、決勝点の場面についてオーウェン氏は「素晴らしい動きだった。(ロス・バークリーから)素晴らしいボールが来て、さらに素晴らしいボールをアスピリクエタが出した。彼にとっては簡単なフィニッシュだったかもしれないが、あの場面で彼があそこにいて、苦境を脱する姿が見られたのは良かったよ」と、元ストライカーとして喜んだ。
なかなかゴールを挙げられなかったストライカーが、1点取ったことで得点感覚を取り戻すこともある。果たしてヴェルナーは、再びゴールに溢れたキャリアを歩み始めることになるだろうか。