ゴレツカのような積極性が田中に備われば…

　試合を重ねるごとに田中は、パスが出てくるべき位置とパスを送るべき位置を確認し、調整し、修正している。田中がボールを持つと味方が走り出す。そうしたシーンが増えてきているし、今後もっと増えてくるはずだ。

　特にドイツサッカーはダイナミックさが重要視されるので、仲間がダイナミックにプレーできる局面を作り出す能力もボランチには求められている。さらにはゲームメイク、チャンスメイクだけではなく、バイエルンのドイツ代表MFレオン・ゴレツカのようにペナルティーエリア内にも積極的に顔を出してゴールシーンにもどんどん絡んでいけるようになったら、デュッセルドルフの攻撃がとても魅力的で、破壊力が増すのは間違いない。本人もどん欲にゴールを狙っており、アウェー戦ではオフサイドの判決で取り消されたが、強烈で正確なミドルシュートを放っている。

　今後、どのように攻守にチームをけん引できる存在になるのか。田中が名実ともにチームの中心選手となった時、昇格への道も明るくなってくるはずだ。