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Jクラブ下部組織と部活サッカーの育成環境 親が抱く「違和感」と「本音」
Jクラブの下部組織から部活動へ移った際に陥る“理解不能状態”
——逆に、部活動に比べて環境が“整いすぎている”とは感じませんでしたか?
父:よくJクラブの下部組織の子は、部活動出身の子に比べると「軟だ」なんて言われますけど、決してそうではない。
勝ちに行くというスタンスも、勝ちたいという思いもあるし、1試合1試合にしっかりとした課題があるわけです。そこに精神論は必要ないんです。結局、その精神論をも超えた技術力があるんです。精神論が介在する余地がないほどやらなきゃいけないことがたくさんあるんじゃないかという印象を受けました。
技術論を教え切って初めて、精神論が出てくるんじゃないかと。要するに、技術面の指導内容が濃いということなんでしょうね。子供たちはそれについていくのが精一杯なんですよ。技術的な課題に取り組んで、それができなければいろいろ指摘されてくる。
それを今度は改善していかなければいけない。ある種、違う精神論ですね。だから相当ハードですよ。強いハートを持っていないと。どのように壁を乗り越えていくか、自分には何が足りないのか……、はっきり言って追い込まれちゃいますからね。
母:ただ、その技術論に疑問を抱き出す子たちが出てくるのも事実なんですよね。Jクラブの下部組織というのは確固たる概念を持っているので、「そこからはみ出してもいいんじゃないか」という言葉は受け入れられません。
そこでひとつでも疑問を抱き出すと、付いていけなくなって「ここじゃないんじゃないか」と思い始める子が中学2年生あたりから出始めるんですね。型にはまったJリーグのサッカーではなくて、他のやり方をやっていきたいと思う子たちもいっぱいいます。それも正解だと思うし、そのあたりは人ぞれぞれですね。
——一方で高校の部活動というのは、Jクラブの下部組織の育成環境とはまた違って、特有のものがありますよね。
父:学校にもよるので一概には言えませんが、Jクラブの下部組織出身の子たちが高校のサッカー部に入ったら、おそらく誰しもが違和感を覚えるのではないかと思います。素晴らしいコーチがいるサッカー部ではない限り、技術論の薄さというものがどうしても露呈されてしまうんですね。そこで理解不能状態へと陥るんです。