これぞJ1最強FWの美学! 川崎FW大久保がチャンスメークに込める思いとは?

2-0勝利の横浜FMとのダービーで示した点取り屋のメッセージ

 J1リーグ3年連続得点王が凄みを増している。11日のJ1ファーストステージ第15節、横浜FMとの「神奈川ダービー」でチーム2点目を決めた川崎FW大久保嘉人は、得点だけでなく最前線から下がってのポストプレーやラストパスでチャンスを演出するなど、2-0の勝利に貢献した。

 後半34分にPKを落ち着いてゴール右上隅に決めて、自らが持つJ1最多得点記録を「166」に伸ばした。さらに、これで4シーズン連続二桁得点も達成。9日に34歳の誕生日を迎えた今も、点取り屋としての能力により一層の磨きをかけている。

 闘争心むき出しでゴールに迫るプレーはまさにストライカーのそれだが、その一方でチャンスメークにも非凡なセンスを見せる。その多彩なプレーには、点取り屋だからこそのメッセージが込められている。

 後半5分、大久保はペナルティーエリアの手前でMF中村憲剛のパスを受けると、すぐさま顔を上げた。目の前には横浜FMのダブルボランチと4バックが立ちはだかっていたが、大久保が下がってボールを受けたことでエリア内に大きなスペースが生まれていた。そこに猛然と走りこむMF登里淳平の姿を見つけた大久保は、右足で柔らかい浮き球のラストパスを送った。

 登里はDF中澤佑二の裏を取ってヘディングシュートを放った。ここはGK榎本哲也の好セーブに遭い得点にはつながらなかったが、大久保は自らのプレーでチームを奮い立たせようとしていた。

 

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