久保建英、レアル本拠地での拍手と不運 マジョルカの“消極的姿勢”に現地記者も同情
現地記者は指揮官との“温度差”を指摘「チームのエネルギーが足りなかった」
スペイン各紙はこの試合の久保をチームメートと同様に低く評価し、スペイン紙「マルカ」、「AS」はともに1点(最高3点)とした。一方、マジョルカの地元紙「ウルティマ・オラ」は「姿が見えず。所属元のクラブと対戦するも、ほとんど何も示すことができずハーフタイムに交代した」と酷評し、最低の0点(最高3点)をつけていた。
試合直後、スペインのラジオ局「カデナ・セール」のペドロ・フジャナ記者は初めてサンティアゴ・ベルナベウでの戦いに挑んだ久保のパフォーマンスに言及しつつ、久保とルイス・ガルシア監督のモチベーションに大きな差があったことを訴えていた。
「今日はマジョルカが試合へのアプローチに失敗したという問題を抱えていたため、タケにとって本当に厳しいものになったと思う。今日のタケは初めてサンティアゴ・ベルナベウでプレーすること、そしていつの日かレアル・マドリードに戻る夢を叶えるために、マドリディスタ(レアル・マドリードサポーター)に自分の実力を示すということで、モチベーションがいつも以上に高かったはずだ。しかし、チームが同じモチベーションではなかった場合、1人の選手が流れを変えるのは非常に難しいものだし、今日はまさにそうだった」と、レアル戦に向けた久保とルイス・ガルシア監督の姿勢が大きく異なり、満足いくプレーができなかったことを強調した。
続けて、「タケは果敢にゴールを目指し、プレーに関与しようと積極的に戦ったが、今日はチームにトップチームデビューの選手がいたし、ゲームのプランニングに失敗していたので、マジョルカの日にはならなかった。ルイス・ガルシアが今日よりも今度の日曜日のオサスナ戦のことを考えすぎていたので、チームのエネルギーが足りなかったと思う」と指揮官の気持ちが入っていなかったことを指摘していた。
マジョルカは次節、中3日の26日にオサスナとの重要な一戦をホームで迎える。しかし、ルイス・ガルシア監督がレアル戦後に、久保が膝に痛みがあるため交代を要請したことを明かし、久保自身も試合翌日にインスタグラムで来月の代表戦不参加を発信したように、少なくとも代表ウィーク後の来月半ばまで欠場が続くことになりそうだ。クラブは現時点で久保の怪我について何も発表しておらず明確な復帰時期は不明だが、連戦の疲れを癒しつつ早期回復を願いたい。
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(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。