涙の決勝ゴールでEURO開催国を救った“キックの名手” 仏紙が「天才的な左足シュート」と絶賛
「この勝ち点3で落ち着いて戦っていける」
「これは、大きな誇りだ。僕たちはメンタルの部分で試合に入るのに少し時間がかかった。多くのチャンスはあったが、なかなかゴールを決められなかった。この結果は、ここまで払ってきたすべての犠牲のおかげだ。今日はできる限りのプレーをしようとした。この勝ち点3は本当に重要なものだ。これで、落ち着いて目標に向かって戦っていくことができる」
開催国であり優勝候補ともされるフランスにとって、特にこのビッグトーナメントの開幕戦ではホームの大声援が大きなプレッシャーになったようだ。しかも、対戦相手は予選10試合でわずか2失点と堅守を誇るルーマニアだった。特に、後半20分に同点ゴールを許してからのフランスの攻撃はなかなか決定的なチャンスを作るところまで行かず、閉塞感が漂っていた。もし、パイェのゴールが決まらずに引き分けで終了していたら、2戦目以降のホスト国にはより大きなプレッシャーがかかったはずだ。
しかし、そうした暗雲をパイェの弾丸シュートが全て振り払った。FKの名手としても知られる男は、先制ゴールの場面では得意の右足でジルーの頭に合わせるピンポイントクロスを供給し、1ゴール1アシストと勝利の立役者となった。地元8万人の大観衆の前でヒーローとなったパイェは、母国フランスを2000年大会以来のEURO制覇に向けて勢いに乗せた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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