EURO開幕! 開催国フランスが鮮烈ミドルでルーマニアを撃破し白星発進

パイェが感極まって涙を流すシーンも

 後半に入っても、ポグバの強烈なボレーシュートが相手GKの正面に飛ぶなどゴールが遠い時間が続いた。しかし、そうした重いムードをセンターフォワードが吹き飛ばした。後半13分、右サイドからパイェが左足で上げたクロスに対し、FWオリビエ・ジルーが相手GKに競り勝つ打点の高いヘディングシュートを放つと、ボールがゴールに吸い込まれた。ジルーによる今大会のファーストゴールで、フランスが1-0と先制に成功した。

 しかし、フランスは同20分に同点ゴールを許してしまう。自陣のペナルティーエリア内でこぼれ球に反応したルーマニアのFWニコラエ・スタンチェをDFパトリス・エブラが倒してしまいPKを献上。これをスタンクに冷静にゴール右に決められ、1-1の同点とされた。直後、フランスのディディエ・デシャン監督はグリーズマンに代えてFWキングスレー・コマンを投入。さらに同32分には、ポグバに代えて20歳の新鋭FWアンソニー・マルシアルをピッチに送り込んだ。

 この交代以降、フランスの攻撃は機能性を落とし、采配が裏目に出る展開になった。しかし、このままドロー決着かと思われた同44分、ペナルティーエリアの外側からパイェが放った強烈な左足ミドルはルーマニアゴールの左上隅に一直線で突き刺さる。直後に守備固めとしてMFムサ・シソコと交代になったパイェは、感極まって涙を流しながらピッチを後にした。

 試合はフランスが誇るキックの名手による劇的な一撃で2-1としたフランスが、このまま逃げ切った。開催国としてのプレッシャーを跳ね除け、フランスは2000年大会以来のEURO制覇に向けて勝ち点3スタートを飾った。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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