インザーギ監督は4-2-3-1と4-3-3を併用 「この道を続けよう」
4人のアタッカー起用の解決策
ACミランのフィリッポ・インザーギ監督は、28日の1-1の引き分けに終わったチェゼーナ戦で本格導入した4-2-3-1と、今季のベーシックと明言する4-3-3を併用していく方針を明かした。
試合後の監督会見でこう語った。
「リーグ戦5試合の時点で、新しいシステムでしかも、4人のアタッカーを同時起用する方法は楽ではなかった。新たなシステムでも戦えたし、4-3-3システムでも試合に勝っていた。いいサッカーをした」
前節エンポリ戦の試合途中から、昨季のクラレンス・セードルフ監督が基本システムとしていた4-2-3-1を導入した。この日は、試合開始からこの布陣だった。
1トップにチェルシーから期限付き移籍で加入したFWフェルナンド・トーレスを置き、本田は昨季同様に右攻撃的MF。トップ下には元フランス代表MFジェレミー・メネズが入り、左MFには移籍市場閉幕直前にアタランタから獲得したジャコモ・ボナベントゥーラが入った。
メディアからは「攻撃的な4人を起用するとバランスを欠くのでは?」と質問が飛ぶと、指揮官はそれに応えた。
「チームにバランスを見つけることも大事だが、魅力のあるサッカーをしたい。そうすればサポーターも喜んでくれる。チームにはFWが7人もいるので、FWのうち4人を起用できるのは、選手を生かすためにも得策だと思う。4-3-3でもたくさんゴールを決めて、最高の攻撃ができている。この道を続けよう。まだ向上しなければならないが、それは7月10日からわかっていることだ」
選手のコンディションや負傷者、対戦相手の特長に応じ、戦術を使い分ける方針のようだ。故障明けのイタリア代表FWステファン・エルシャラウィというスピードスターが完全復活間近な状況だ。好調を意地する本田、メネズ、新加入のトーレスら前線のタレントを活用するには4-2-3-1システムが現時点では得策だと考えている。
本田は、いずれのシステムでも右サイドに固定され、今季公式戦5試合で3得点2アシストと結果を積み上げる。本田らタレントの能力を最大限に引き出す“スーペル・ミステル”の采配にも注目したい。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web