元独代表の英雄、W杯“隔年開催案”に反対 過密日程を指摘「あまりにも混雑している」
ルンメニゲ氏、FIFAが提唱する案に否定的な見解
昨季までドイツの名門バイエルン・ミュンヘンで最高経営責任者(CEO)を務めたカール=ハインツ・ルンメニゲ氏が、国際サッカー連盟(FIFA)が提唱したワールドカップ(W杯)の隔年開催に否定的な見解を示した。ドイツ紙「ビルト」の運営する動画チャンネルで語った。
過去にイングランド・プレミアリーグの名門アーセナルや名古屋グランパスの監督を務め、現在はFIFAの技術部門の職に就くアーセン・ベンゲル氏が提案したW杯の隔年開催は大きな波紋を呼んでいる。アジアや北中米カリブ海の大陸連盟が前向きなコメントを発するなかで、欧州と南米は強く反対。また、クラブレベルでの賛成意見はほぼ見当たらない状況にある。
そうしたなかで、現役時代に西ドイツ代表(当時)でW杯に3大会連続出場も果たし、1980年代を代表する世界的なストライカーとも称されたルンメニゲ氏は、クラブの経営にも関わった観点から意見を話している。
「私はインフレを起こすような改革には賛成しない。喫緊の課題は、サッカーのカレンダーがあまりにも混雑しているために合理化すること。UEFAがネーションズリーグを導入し、欧州選手権やW杯に参加するチーム数を増やしたことで、すべてがより厳しくなっている。試合や大会の質を高めるためには、カレンダーをブロックごとに分けることも必要かもしれない。しかし、合理的な方法で話し合い、解決策を見つけなければならない」
ルンメニゲ氏が指摘するように、欧州選手権は1996年に8カ国から16カ国に拡大し、2016年に24カ国に増えた。W杯は1998年に24カ国から32カ国に増え、2026年大会から48カ国への増加が予定されている。また、2018年に開始されたネーションズリーグは日程の圧迫という点での批判も根強い。
そうしたなかでさらにW杯の隔年開催をすることについて、ルンメニゲ氏は反対の立場を取りつつ、「カレンダーの合理化」という現代サッカー界の課題を指摘している。
(FOOTBALL ZONE編集部)