マジョルカ久保、復帰後“最悪”の出来 現地記者が課題指摘「強い相手に自分の能力を…」

マジョルカの地元紙「ディアリオ・デ・マジョルカ」のエレナ・ガルシア・ゴメス記者【写真:高橋智行】
マジョルカの地元紙「ディアリオ・デ・マジョルカ」のエレナ・ガルシア・ゴメス記者【写真:高橋智行】

現地記者「最もパフォーマンスの良くない試合だった」

 スペイン各紙によるビルバオ戦の久保の評価は、総じて低いものとなった。スペイン紙「マルカ」「AS」はともに1点(最高3点)。同様にマジョルカの地元紙「ウルティマ・オラ」も「再びボールを要求し、クオリティーの片鱗を見せたものの、決定的な役割を果たせないまま交代した」と評し、1点(最高3点)をつけている。

 またビルバオ戦後、マジョルカの地元紙「ディアリオ・デ・マジョルカ」のエレナ・ガルシア・ゴメス記者は、この日の久保のパフォーマンスについて次のように評していた。

「今日はチーム同様、クボのパフォーマンスもあまり際立ちませんでした。マジョルカはチャンスメークという点で大きな問題を抱えていましたし、クボにとって理想的な試合ではなかったと思います」との見解を示し、「特に前半、マジョルカはほとんど何もできませんでした。2、3本のパスを上手くつなげることができず、クボも快適にプレーできるゾーンへ入るのに苦しんでいました。そのため今日はクボにとって、マジョルカ復帰後、最もパフォーマンスの良くない試合だったと思います」と感想を述べた。

 久保の今後の課題については「今日のようなゲームを、クボはシーズンを通じて耐え抜いていく必要があります。マジョルカは今後も自分たちが自陣に押し込まれるような強い相手と、たびたび対戦することになりますからね。クボはそのようなゲームで自分の能力を示さなければいけませんし、別の側面を見せる必要もあるでしょう。少しだけ改善はされていますが、もっと守備的な能力も発揮する必要があると思います」と語り、この後、格上との劣勢な試合が増えると予想されるなか、攻撃面に加え、より守備面での貢献が必要になることを訴えている。

 マジョルカは開幕からの4試合を2勝1分1敗の勝ち点7で8位につけており、久保は全試合に出場して直近3試合連続でスタメン入りし、上々のスタートを切っていると言えるだろう。またビルバオ戦の出来は、代表戦参加による疲労を考慮すれば致し方ないことだと思われる。

 しかしこの後、イ・ガンインの加入や、昨季右サイドハーフでレギュラーを務めた背番号10のMFアントニオ・サンチェスの怪我が回復したことにより、ポジション争いが激化する可能性がある。そのため久保がルイス・ガルシア監督の下で、どのように起用されるのかに注目が集まりそうだ。

 マジョルカは次節、19日に久保の古巣ビジャレアルをホームに迎える。キックオフは現地時間14時(日本時間21時)と、アジア市場を意識したものとなっている。

(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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