W杯「隔年開催案」にUEFA会長が反発 FIFAへ徹底抗戦…「欧州代表は参加しない」
チェフェリン会長、2年に1回のW杯開催に異論 「選手は疲れきってしまう」
国際サッカー連盟(FIFA)の技術部門で要職に就く、元アーセナルや名古屋グランパス監督のアーセン・ベンゲル氏によるワールドカップ(W杯)隔年開催構想について、欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は、英紙タイムズに「そのようなことは絶対に起こらない」と、徹底抗戦の考えを示した。
ベンゲル氏はW杯を2年に1回の開催にすることを主張し、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も同調している。現状では批判的な声がほとんどと言える構想だが、同会長は各国のサッカー協会、連盟からは多くの賛同を得ていると主張している。
そうした状況に、欧州サッカー界のトップとも言えるチェフェリン会長は真っ向からFIFAとの対立姿勢を明らかにした。4年に1回の欧州選手権が大きな権威を持つ大会として存在するのと同様に、南米選手権(コパ・アメリカ)が大きな価値を持つ南米連盟の動向も併せて話した。
「ヨーロッパの代表チームはW杯に参加しないことを決めるかもしれないし、私の知る限りでは南米の連盟もそう考えている。だからこそ、FIFAにはそのようなW杯を開催する幸運を祈っているよ。2年に1度のW杯は、サッカーの原則に反するものであり、そのようなことは絶対に起こらないし、連盟がそのようなものを支持するとは思えない。毎年の夏に1カ月間のトーナメントを行うとなると、選手は疲れきってしまう」
これまでのW杯の歴史で、ヨーロッパと南米以外の国が優勝したことはない。仮にこれら2つのサッカー界で最大勢力と言える国々がボイコットしたならば、もはやW杯という名前が持つ歴史も価値も吹き飛んでしまうだろう。
その上でチェフェリン会長は「五輪のように、4年に1度の開催だからこそW杯は貴重であり大きな価値がある」とも話した。
FIFAは2026年からW杯の出場国を48カ国に拡大することをすでに決めている。その上で2年に1回の開催の提案と際限なくW杯の肥大化を求めている感もあるが、現実的にはサッカー界の中核と言えるヨーロッパ勢はFIFAに対して徹底抗戦の姿勢を取る模様だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)