同点のチャンスで怯んだ“ジャガー”… 横パス失敗で号泣の浅野「すごく後悔している」
「あそこで引っ掛けるのが今の自分の実力」
「あの一瞬の場面でパスを選択してしまう。自分の中で周りが見えて、より確実な方をという選択でも、あそこで引っ掛けてしまうのが今の自分の実力。チャンスがあれば決める気持ちはあった。それが結びつかなかったから悔しい。一瞬の判断で余裕があるのか、ないのか、分からない。自信を持って最後の最後で打てればいい。そこが一番の要因」
3日のブルガリア戦では、後半にPKを獲得した場面で自らキッカーに名乗りを上げた。ベンチのバヒド・ハリルホジッチ監督はFW宇佐美貴史(G大阪)をキッカーに指名したが、自分で蹴り込んだ。ハリル監督も「もう浅野はボスになってしまいましたね。自分で勝手にPKを取って、蹴りました。20歳でボスになって、すぐにできるなんて信じられないですね」と、ジョークを交えながらその強心臓ぶりを認めていた。“ジャガー”の異名で売り出している若武者が、最後の瞬間にチキンになったことを悔やんでいる。
泣き濡れた浅野に、FW本田圭佑(ACミラン)は「僕は泣かないので、泣く選手の気持ちは分からないということだけは言っておきます」とあえて突き放している。
「シュートをせずに後悔で終わってしまって、チームも負けてしまった。この悔しさは絶対に忘れずに、次に生かしたい。切り替えて次の準備をしたい」
浅野にはU-23日本代表のエースとして、8月にリオデジャネイロ五輪本大会が待っている。この日の悔し涙と後悔を世界の舞台で生かし、手倉森ジャパンを勝利に導くゴールを期待したいところだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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