“物足りない”日本の攻撃、「救いになった」選手は? 中国戦出場14人を金田喜稔が採点

先発の久保にはゲームを決めるという野心が感じられた【写真:AP】
先発の久保にはゲームを決めるという野心が感じられた【写真:AP】

久保からは「自分がゲームを決めるという野心が感じられた」

■久保建英(マジョルカ)=★★★★

 物足りなさを感じたゲームのなかでやる気が漲り、自分がゲームを決めるという野心が感じられた。簡単にボールを取られずパスワークを引き出し、強烈な左足のミドルも持っている。前半23分にはエリア内で縦に仕掛けて右足でポスト直撃のシュートを放つなど、随所で得点の匂いを感じさせ、またゲーム終盤には高いキープ力を発揮するなど、久保の存在は日本にとって救いになっていた。信頼されてボールも集まっており、現時点では間違いなく攻撃のキーマンになっている。

■伊東純也(ヘンク/→後半31分OUT)=★★★★

 何よりも得点につながったクロスが素晴らしかった。自らのスピードで勝負できると判断し、相手をぶっちぎってからクロスを上げた。右サイドバックの室屋とのコンビネーションでは合わないシーンもあったが、サイドアタッカーとしての第一優先はゴールへ向かうプレーを選択すること。その点でチームを引っ張り、また鋭いプレスバックを見せるなど攻守で闘う気持ちを見せた。

■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★

 ほぼ相手に攻め込まれないなかで、中盤の底でピンチの芽を摘むという本来の持ち味を発揮するシーンはほとんどなかった。そのぶん、攻撃時には高い位置に進出し、前半38分には久保との連係でシュートチャンスを演出。全体的に可もなく不可もなくというパフォーマンスだった。

■柴崎 岳(レガネス)=★★★

 後半42分に見せたブレ球のミドルは素晴らしいシュートだった。日本が圧倒的に主導権を握る試合のなかで、ビルドアップに多く関与し、守備面でも安定。一方で後半になって中国が前に出てきた時間帯は、柴崎が一列前に上がって久保と並ぶような関係性となり、相手を押し込んでも良かったと感じる。もちろん、1-0という状況でボランチとしては動きにくかった部分があったと思うが、もう少し攻撃に厚みをもたらすトライがチーム全体に欲しいところだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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