“物足りない”日本の攻撃、「救いになった」選手は? 中国戦出場14人を金田喜稔が採点

中国戦出場14人を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & AP & ©JFA】
中国戦出場14人を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & AP & ©JFA】

中国に1-0と勝利、W杯最終予選で初白星もシュート18本で1得点に物足りなさ

 日本代表は現地時間7日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第2節で中国代表と対戦し、1-0で勝利した。アウェー扱いながら中立地カタールのドーハで行われた一戦は、5バックを採用した中国が序盤から引いたため、日本が圧倒的にボールを保持する展開に。1試合を通じてピンチらしいピンチがほぼなかった一方、シュート18本を打ちながらも奪った得点は前半40分にFW大迫勇也が決めた1点のみだった。
 
 7大会連続のW杯出場に向けて、今予選初勝利を手にした日本の戦いぶりを識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した14選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。何よりも大切な勝ち点3を得たことを評価しながらも、消極的な中国を相手に1ゴールしか奪えなかった点は「物足りなかった」と指摘。そのなかで何度もチャンスを作り出した久保の存在が「救いになった」と語り、最高タイの4つ星を与えている。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■大迫勇也(ヴィッセル神戸)=★★★

 負けられない一戦で何よりも重要な1ゴールを奪ったことは、ストライカーとして高く評価したい。1点が遠かった日本を救う一撃で、決して簡単ではない伊東からのクロスを仕留めたのは見事だった。ただしプレーのパフォーマンス全体を見ると、コンディションが決して良くなく、ボールもそこまで足下で落ち着いていなかった。前半のようにチーム全体が高い位置に押し上げ、2列目の選手もあれだけ前を向けている状況なら、本来の大迫であればもっとキープできたり、振り向いてシュートも打てたはず。神戸でパフォーマンスを上げていってほしい。

<MF>
■古橋亨梧(セルティック/→後半5分OUT)=★★★

 セルティックで結果を残していることを証明するように、質の高い動きと局面でのプレーで鋭さを見せた。それだけに例えば2トップにするなど、もっと大迫と近い距離でプレーさせれば背後を取る動きなどによって中国に脅威を与えられたはず。動きの質が高い選手だけに、左サイドハーフに置くよりも中央で360度の視野を与えてプレーさせれば、能力をもっと引き出せるはずだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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