王者マンC、ケイン獲得失敗で「物足りなさ」も… “152億円MF”加入の中盤は豪華陣容
【欧州ビッグクラブ補強総括】マンチェスター・シティ(昨季プレミアリーグ1位:27勝5分6敗/83得点・32失点)
【戦力充実度】
FW:★★★★★★★【7】
MF:★★★★★★★★★【9】
DF:★★★★★★★★【8】
GK:★★★★★★★★【8】
※10段階評価
【主な新加入選手】
MF
ジャック・グリーリッシュ(←アストン・ビラ)
アグエロの穴を埋められなかった前線はマイナス査定、サイドバックにも問題発生
ディフェンディングチャンピオンのマンチェスター・シティは、1億ポンド(約152億円)を投じてイングランド代表MFジャック・グリーリッシュ(←アストン・ビラ)のビッグディールを成立させたが、事実上これが今夏唯一の新戦力だ。過去2シーズン、英2部ダービーからのレンタルで加入していたGKスコット・カーソンは契約満了によってフリーとなり、改めて1年契約を結ぶ形での加入となる。報道が過熱していたイングランド代表FWハリー・ケイン(トッテナム)の獲得が叶わなかったため、どこか物足りない印象の残る夏のマーケットとなった。
10年間にわたってチームを支えたアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ(→バルセロナ)が抜けた前線の穴を埋められなかった点は、マイナス査定にならざるを得ない。開幕3試合はスペイン代表FWフェラン・トーレスがセンターフォワードで起用されており、2得点と結果は残しているが、長いシーズンを考えれば量の部分では心許ない。ブラジル代表FWガブリエル・ジェズスの爆発、そして間もなく負傷から復帰するFWフィル・フォーデンがスタメン争いにどれだけ食い込んでくるか注目だ。
グリーリッシュの加入もあって、2列目は多士済々だ。MFリヤド・マフレズ、FWラヒーム・スターリング、MFベルナルド・シウバ、MFイルカイ・ギュンドアンと異なるキャラクターの選手が揃い、組み合わせのバリエーションも豊富で、チーム最大のストロングポイントだ。ただし、主軸のベルギー代表MFケビン・デ・ブライネが度重なる負傷に悩まされている点は気がかりだ。30歳の司令塔は足首に爆弾を抱えており、フル稼働が難しければ、それだけでチーム力のダウンは避けられない。
最終ラインではDFエリック・ガルシア(→バルセロナ)が退団したものの、昨季から既定路線の移籍でダメージはそれほど大きくないはずだ。センターバックは昨季リーグMVPのDFルベン・ディアスを軸にDFジョン・ストーンズ、DFアイメリク・ラポルテ、DFナタン・アケがポジションを争う。
問題が発生したのはサイドバックで、開幕戦にスタメン出場していたフランス代表DFバンジャマン・メンディが不祥事を起こして逮捕、起訴された影響で出場停止に。以降は右にDFカイル・ウォーカー、左にDFジョアン・カンセロが入り、DFオレクサンドル・ジンチェンコがベンチに控える形が基本となっている。よもやのアクシデントだが、両サイドで問題なくプレーできるカンセロが心強い存在となっている。
ジョゼップ・グアルディオラ監督体制も6年目を迎えたシティ。見据える目標はリーグタイトルの防衛と、悲願のUEFAチャンピオンズリーグ制覇であることに変わりはない。