低迷ドイツ“復権”の鍵はゴレツカにあり! 激戦の中盤センターで放つ異質な才能とは?

ゴレツカのさらなる成長がドイツ復権には欠かせない

「監督が目指そうとしているプレーが、この前のリヒテンシュタイン戦よりはできた。でも僕らはコンスタントに高いレベルでプレーできるようにならないといけない」

 まさに、その言葉通りだろう。アルメニアに6-0の勝利というものを、必要以上に大きく取り上げる必要はない。ヨアヒム・レーブ前監督の時も、良い試合をして大勝したことだってあった。EURO前のラトビア戦には7-1で勝利し、「この調子でいけば大丈夫」と楽観的すぎる見方が大きくなりすぎていた。「自分たちドイツは、トーナメントチームだからなんだかんだでなんとかなる」という空気感は、良くも悪くもドイツに充満していたわけだ。

 良い試合をしたら、相手は対策する。“対策されたから上手くいきませんでした”では、どうしようもない。対策されることを想定して、さらなる解決策を準備していかなければ次へとつながらない。そうしたプロセスの積み重ねが、チームを成熟させる。それだけに次のアイスランド戦、そして10月の代表シリーズと妥協することなく、チーム作りを進めていくことが重要になる。そしてすべてが急激に良くなるという淡い期待を持たないことも大切だろう。

 2022年カタールW杯、そして24年の母国開催となるEUROへの道のりはまだまだ長いが、ゴレツカのさらなる成長が、ドイツが輝きを取り戻すために欠かせないのは間違いない。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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