新生トッテナム、強力FW陣&若手台頭が希望の光 “不動のエース”残留で根幹揺るがず
【欧州ビッグクラブ補強総括】トッテナム(昨季プレミアリーグ7位:18勝8分12敗/68得点・45失点)
【戦力充実度】
FW:★★★★★★★★★【9】
MF:★★★★★★★【7】
DF:★★★★★★★【7】
GK:★★★★★★【6】
※10段階評価
【主な新加入選手】
FW
ブライアン・ヒル(←セビージャ)
DF
エメルソン・ロイヤル(←バルセロナ)
クリスティアン・ロメロ(←アタランタ/期限付き移籍)
GK
ピエルルイジ・ゴッリーニ(←アタランタ/期限付き移籍)
プレミア唯一の開幕3連勝、ケイン残留でソン・フンミンとの強力コンビ健在
キャプテンにして不動のエースであるFWハリー・ケイン残留でチームの根幹は保たれた。ケイン不在のまま迎えたプレミアリーグ開幕戦で王者マンチェスター・シティに1-0で勝利するなど滑り出し好調で、ここまでリーグ内唯一の3連勝で首位を走っている。
今夏の移籍市場では補強ポイントだったセンターバックに、セリエAで躍進するアタランタからコパ・アメリカ優勝メンバーのアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロを獲得。同じくアタランタからはGKピエルルイジ・ゴッリーニも加入した。
センターバック同様に補強ポイントと言われていた右サイドバックでは、今季加入ではないものの、22歳のDFジャフェット・タンガンガが目覚ましい活躍を見せてレギュラーポジションを掴んでいる。このポジションでは日本代表DF冨安健洋(→アーセナル)もターゲットだと伝えられていたが、海外メディアによると、このタンガンガの台頭が冨安の獲得を見送った理由の一つになったとの指摘も挙がっている。
その一方で、ベルギー代表DFトビー・アルデルヴァイレルト(→アル・ドゥハイル)や豊富な運動量でチームを支えたフランス代表MFムサ・シソコ(→ワトフォード)、元イングランド代表DFダニー・ローズ(→ワトフォード)など長年主力として活躍してきたベテランがチームを去った。ヌーノ新監督の下で着実にチーム内の新陳代謝が進んでいる。
アタッカー陣ではローンで加入していたFWギャレス・ベイルがレアル・マドリードに復帰し、アルゼンチン代表MFエリク・ラメラがセビージャへ移籍した。代わりに東京五輪にも出場したU-24スペイン代表MFブライアン・ヒルの加入はあったが、冒頭でも触れたように大黒柱のケイン残留によって根幹部分は昨季から大きく変わっていない。
ヌーノ監督の就任で今季は4-3-3が軸となっており、3トップはケインを中央に、サイドに韓国代表FWソン・フンミンとオランダ代表FWステーフェン・ベルフワインを置く形が基本線となった。それをMFデレ・アリ、MFピエール=エミール・ホイビュアという2人のセンターハーフが支えている。また、アンカーには開幕からアカデミー出身のMFオリバー・スキップが起用されているが、この20歳のイングランド人MFの抜擢も新生スパーズの注目ポイントの一つだ。中盤の底から正確なパスを配球し、ボールポゼッションの起点としてここまで上手く機能している。
インターナショナルウィークが明けると第5節チェルシー、第6節アーセナルとロンドンダービーが連続して待ち受けている。この関門を突破できれば、チームの勢いはさらに増すことになるはずだ。ライバルを退け、一躍リーグの“大本命”へとのし上がることができるだろうか。