森保采配は「保守的」 英記者、“最大の欠点”を指摘「同じ選手への依存度が高い」

森保監督は「あと一歩の男」、W杯最終予選でもそれではいけない

 このように警鐘を鳴らすのには、理由がある。森保監督は「あと一歩の男」だからだ。アジアカップ優勝、東京五輪でのメダル獲得……。W杯アジア最終予選の突破も「あと一歩」となって良いわけはない。

 この30年間で日本代表が収めてきた成功は、プレッシャーとして圧し掛かる。誰だって失敗する監督になりたくない。特に今は、これだけのタレントを起用できるのだ。そしてロシアW杯で、ベスト8までもう少しというところに迫った直後でもある。

 来年のカタールW杯を目指すうえで、日本のサッカー選手たちは自分たちが準々決勝進出、もしくは準決勝に進出することを視野に入れて、自分たちのパフォーマンスを上げていく必要がある。

 中国に負ける可能性は、おそらく低いだろう。彼らはオマーンのように鍛えられてはいない。そして、森保監督ほどタレントの量にも恵まれていない。しかし、オーストラリアに対する惨敗によって、彼らのモチベーションは高く、必勝態勢でドーハの試合に臨んでくるだろう。

 多くの帰化選手を擁しているものの、日本と比較すれば中国の実力は、はるかに下回る。そんな通常レベルの相手に対して敗れるようなことがあれば、それは森保ジャパンの終焉につながるだろう。すべては、この試合で決まる。“ドーハの悲劇”とならないことを願いたい。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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