「“王様”のような振る舞い」では勝てない オマーン戦出場14人を金田喜稔が採点
不安定だった植田、プレーに「雑な部分が見られた」
<DF>
■長友佑都(無所属)=★★★
常連の選手が出ている安心感がある一方、無所属の彼を上回る左サイドバックが他に出てこないことに不安を覚えるのは正直なところ。もっとも長友自身は無所属というブランクを感じさせないプレーを披露。特にあわやPKかという後半6分のシーンの直後、VARの末にハンドではないことが確認されてPKが取り消されると、相手が気落ちしているところを見逃さず、逆サイドからのクロスに飛び込みヘディングシュートを放った。素早く気持ちを切り替え、ここが勝負どころと自らのプレーでチームを鼓舞する姿はさすがだった。
■植田直通(ニーム)=★★
空中戦や対人の強さがあるのは確かだが、失点シーンでのマークの受け渡しも含めて周囲とのコンビネーションで雑な部分が見られた。ポジショニングやビルドアップも不安定で、自らのミスからカウンターを招く危険なシーンも。冨安や板倉が不在のなかでチャンスを得たが、力み過ぎていた印象だ。
■吉田麻也(サンプドリア)=★★★
チーム全体が低調なパフォーマンスとなったなかで、キャプテンとしてチームを鼓舞。前半28分には伊東へのロングボールで決定機を作り出すなど、東京五輪からフル稼働が続く状況でも存在感を見せた。
■酒井宏樹(浦和レッズ)=★★★
試合後にオーバーワークが考慮され途中離脱となったとおり、明らかにいつもの酒井とは違った。局面での守備で相手を圧倒し、攻撃時には伊東とのコンビネーションを見せるシーンもあった一方で、珍しくサイドを何度か抉られ、失点シーンでもマークの受け渡しが上手くいかなかった。
<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★
思った以上に攻め込まれ枠内シュートを浴びたなかで、冷静なセービングを見せていた。後半15分の決定的シーンでは気迫の顔面ブロック。失点場面はニアを切っていた分、ファーサイドに飛んだシュートを防ぎきれなかった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。