新生ドルトムントは「狭く攻める」 智将の門下生が挑む“異形のサッカー”
ラングニック門下生のローゼ監督、“レッドブル勢”でお馴染みのスタイル
今季のドルトムントのプレースタイルは、サッカーの新解釈と言える。ただし、見たことがないサッカーではない。ボルシアMGからやって来たマルコ・ローゼ監督は、その前にはザルツブルクの監督を務めていて、いわばラルフ・ラングニック門下生だ。ラングニックがスポーツディレクター、または監督として植え付けたレッドブル勢(ザルツブルク、ライプツィヒ)でお馴染みのスタイルである。
FWに破格のアーリング・ブラウト・ハーランドがいて、マルコ・ロイス、トルガン・アザールといったスピード感豊かなアタッカーがいるため、今季のドルトムントの中央突破はかなり迫力がある。ノン・ストップ攻撃、シームレスの攻守。ラングニックが発案した異形のサッカーは今季、ドルトムントというこれまでにない肥沃な土地に根を張ることになる。
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。