「人生はサッカーだけではない」 ローマを愛するベルギー代表MFがチェルシー移籍に難色
コンテ新監督が獲得を望むナインゴラン 一時は移籍濃厚と見られていたが…
ローマのベルギー代表MFラジャ・ナインゴランが、「ロンドンはいつも雨が降っているから」とチェルシー行きを否定するコメントを残している。5日の国際親善試合ノルウェー戦で3-2の勝利を収めたのち、ベルギー紙「Het Laatste Nieuws」に対して語ったもの。
来季からチェルシーの監督に就任する現イタリア代表のアントニオ・コンテ監督は、中盤の補強としてインドネシア語で「王」の意味を持つ“ラジャ”の名を冠するナインゴランの獲得を望んでいた。しかし、ナインゴランはそれが一つの選択肢であると認めつつも、人生において重要なことがあると語っている。
「チェルシーに行くことは一つのチャンスだ。サッカー選手としての名声も、給料もそっちの方が上になるだろう。だが、給料は最も重要なことではない。チェルシーに行って、自分の人生がより充実するとは思えないんだ。僕はすでにローマに家を建てているし、ここにはいつも太陽がある。これを全て捨て去るのは難しいね。人生はサッカーだけではないんだ。イングランド、それもロンドンを見てみようじゃないか。いつも雨が降っているだろう?」
現在イタリアの首都ローマでプレーするナインゴランは、チェルシーに移籍すればサッカー選手として、より名声と高給を得られると認識している。しかし、人生はサッカーだけではなく、地中海に近く温暖な気候と太陽に恵まれたローマでの生活を尊いものだと感じているという。そして、自身の人生設計についても「33歳か34歳で引退しようと思う。そこからは、妻と2人の子どもたちと過ごせる時間が訪れるんだ」と話した。現在28歳のナインゴランは、あと5年から6年でサッカー界に別れを告げるつもりだという。
給料よりも人生の充実を求めるナインゴラン。ベルギー代表のハードワーカーがチェルシー行きを決断する可能性は、かなり小さいものだと言えそうだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images