久保建英は「2年前からはるかに成長」 現地記者、3戦無敗マジョルカで“躍動”と称賛

スペインのアルベルト・エルナンド記者(左)とマジョルカサポーターのパウさん【写真:高橋智行】
スペインのアルベルト・エルナンド記者(左)とマジョルカサポーターのパウさん【写真:高橋智行】

久保の活躍により「ルイス・ガルシアはメンバー選考で頭を抱えることになる」

 今後の課題については「タケ・クボには自信と出場時間が必要だ。彼はまだ20歳と若いにもかかわらず、日本のスターであり、レアル・マドリードからの期限付き移籍の助っ人選手として(マジョルカに)来ているという大きな重圧を背負っているからね。これらすべてのことを少しずつクリアしていく必要がある。そのためのベストの方法は、昨季叶えられなかった出場時間を十分に得て、ルイス・ガルシアの要求に応えていくことだ。でも私はそれが難しいことだと思わない。なぜならタケ・クボは今日、これまでの3試合で最高のパフォーマンスを見せてくれたからね」と見解を述べた。

 久保がこのままレギュラーの座を維持できるかについては、「マジョルカが今、攻撃のトリデンテを抱えているのは事実だが、ルイス・ガルシアが状況次第でメンバー変更する可能性は大いにある。なぜなら攻撃のポジションにはタケ・クボやムブラの他にも、アマト(・エンディアイエ)、フェル・ニーニョ、ラゴ・ジュニオール、負傷中のアントニオ・サンチェスやアンヘル(・ロドリゲス)などがいるし、もちろん、マジョルカの“ドン”であるダニ・ロドリゲスやサルバ・セビージャも控えているからね」と語り、指揮官には攻撃に多くの駒があることを強調した。

 続けて、「タケ・クボのここ2試合の活躍により、ルイス・ガルシアはメンバー選考で頭を抱えることになるだろうし、今日のメンバーでこの後、少しの間は戦い続けるかもしれない。しかし、ルイス・ガルシアは今後、中盤でフィジカルの強い選手を必要とすることもあるので、メンバーを固定することなくローテーションを続けるはずだ。タケ・クボがレギュラーになれる可能性はあるが、同様に他のチームメートにもチャンスがある」と、対戦相手や戦術次第になることを訴えた。

 実際、ルイス・ガルシアは昨季のリーグ戦、42試合中26試合を4-2-3-1で戦っているが、右サイドハーフに関してはアントニオ・サンチェスとムブラをそれぞれ最多9回ずつ先発起用しており、完全には固定していなかった。

 マジョルカがリーグ開幕からの3試合、2勝1分と無敗をキープして勝ち点7を獲得し、上々のスタートを切るなか、久保は開幕からの3試合でルイス・ガルシアの一定の信頼を得ることができたと言えるだろう。エスパニョール戦後、代表招集によりチームを離れているが、この調子を維持できることを願いたい。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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