久保建英は「2年前からはるかに成長」 現地記者、3戦無敗マジョルカで“躍動”と称賛
【スペイン発コラム】エスパニョール戦に右サイドハーフで先発し好パフォーマンスを披露
リーガ・エスパニョーラ第3節エスパニョール戦(1-0)、日本代表MF久保建英は2戦連続の先発出場を果たし、スタンドの熱い声援を受けハイパフォーマンスを披露した。
新型コロナウイルスの感染拡大前、マジョルカでの最後の有観客開催は昨年3月1日に行われた2シーズン前のヘタフェ戦だった。それ以降、昨季終了まで無観客開催が続いたが、新型コロナウイルスのワクチン摂取率が上がり感染者が減少しているため、今季から条件付きながら有観客開催が許可されている。バレアレス州の保健当局の新型コロナウイルス感染対策の規定により、マジョルカはキャパシティの40%に制限されているが、今季開幕戦からサポーターがスタンドに戻れることになった。
わずか1年で1部復帰を果たしたマジョルカは、再び久保を迎え今季のリーグ戦をスタート。久保はベティスとの開幕戦に合流わずか4日目にもかかわらずベンチ入りし、久々の生観戦となった約6300人の観衆から大きな拍手を受け、後半途中からマジョルカ再デビューを果たすと、続くアウェーの第2節アラベス戦で初スタメンを飾った。
そして第3節エスパニョール戦は、マジョルカの本拠地で開催された。この日のマジョルカ島の空は雲ひとつない快晴で、キックオフの20時でもまだ明るい。スタジアム併設のバルのテラス席は試合前、予約がなければ座ることができないほどの盛況ぶり。開幕からの2試合、1勝1分と幸先の良いスタートを切ったチームのサポーターたちは、夏空の下、ビール片手に陽気な顔を見せて仲間たちと試合前のひと時を楽しんでいた。
サポーターの1人、パウさんは再加入した久保について、「タケ・クボは相手に物怖じしない大胆さと高いドリブル能力を備えているし、チームに大いに貢献してくれるはずだ。間違いなくレギュラーになれると思うし、今日はゴールを決めてくれるだろう」と大きな期待を寄せていた。
ルイス・ガルシア監督は、エスパニョール戦に向けてアラベス戦から2選手を入れ替え、2戦連続でスタメン入りさせた久保を、トップ下ではなく右サイドハーフで起用した。
対するエスパニョールを率いるビセンテ・モレノ監督は、かつてマジョルカを3部から1部に連続昇格させた立役者で、久保のスペイン初年度の指揮官でもある。しかし昨夏、退団の際にサポーターの怒りを買い、この日はスタジアム入りから試合終了まで、激しいブーイングを浴び続けることとなった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。