王国ブラジル出身が3人 森保ジャパンが要警戒すべき「中国帰化選手ファイル」
エウケソンは中国代表のエースFWウー・レイと好連携を構築
■アロイージオ(FW/33歳/広州FC/ブラジル出身)
2014年にブラジルの名門サンパウロから山東魯能(現・山東泰山)へ加入。愛称の「野牛」が表すとおり、身長173センチ・体重80キロの屈強なフィジカルを生かした突破力、気迫が持ち味の選手です。そのプレーはイタリア往年の名プレーヤー、ジェンナーロ・ガットゥーゾがFWをやっているという表現がぴったりかと思います。
2016年に加入した河北華夏幸福では、リー・ティエ現中国代表監督の元でもプレーしており、信頼関係が築かれています。
そして彼は帰化選手の中で唯一、中国2部リーグでもプレーしていた経験があり、そのサッカーに対する姿勢や闘争心から、中国サッカーファンに非常にリスペクトされている存在です。
■エウケソン(FW/32歳/広州FC/ブラジル出身)
日本でも馴染みのある方が多いのではないでしょうか。ACLで対決することも多く、特に上海上港(現・上海ポートFC)時代のフッキ選手(現アトレチコ・ミネイロ)との強力な前線は私の記憶に残っています。
彼はブラジルのヴィトーリアでプロになった後、ヨーロッパを経由せず、2013年に中国1部広州恒大に加入。その後活躍を続け、2019年に、中国にまったくルーツを持たない選手として初めて帰化選手となりました。ちなみにアラン選手、アロイージオ選手もルーツを持たない選手となり、ティアス・ブラウニング選手は祖父が中国人で中国にルーツを持つ帰化選手となっています。
中国代表のエースFWウー・レイ選手とは、上海上港時代に共闘したため関係性が良く、日本代表はこの2人の連係に最も警戒しなければなりません。
◇ ◇ ◇
中国国内でも意見が分かれる帰化選手の取り組みですが、私個人としては支持しています。日本サッカーもこれまで素晴らしい帰化選手とともに歴史を作ってきました。何より、国籍を変えるという簡単でない決断をしてまでも、その国のサッカーに貢献したいという姿勢、その国の代表選手になりたいと思う気持ちに対し、尊敬の念を抱きます。
彼らの活躍を期待しつつ、一人の日本サッカーファンとして日本代表が見事に抑えてくれることを願っています。
[著者プロフィール]
久保田嶺(くぼた・れい)/1991年生まれ、埼玉県出身。中国最大のサッカーメディア「懂球帝」にて、日本人初の公認アカウントとして活動をしている。
(久保田嶺 / Rei Kubota)
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。