王国ブラジル出身が3人 森保ジャパンが要警戒すべき「中国帰化選手ファイル」
【中国サッカー考察コラム#3】英国出身のティアス・ブラウニングは今回の帰化選手の中で唯一のDF
日本のサッカーファンのみなさま、こんにちは。中国サッカーメディアにて活動をしている久保田嶺です。9月7日に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・中国戦が、いよいよ迫ってきました。
連載3回目となる今回は、森保一監督が警戒し、皆さまも注目されている中国代表の帰化選手について紹介したいと思います。中国代表の最終予選メンバー31人の中に、帰化選手は4人。FWエウケソン、FWアラン、FWアロイージオ、DFティアス・ブラウニング(いずれも広州FC)です。
■アラン(FW/32歳/広州FC/ブラジル出身)
ブラジル・ロドリーナFCでプロになり、その後2010年、オーストリア1部レッドブル・ザルツブルクに加入し、現リバプールのサディオ・マネ選手らと前線を組んで、UEFAヨーロッパリーグ10連勝、5年間で通算92得点と大活躍しました。
そして、日本代表の南野拓実選手がザルツブルクに加入する1年前の2014年に中国1部広州恒大(現・広州FC)へ。ここから中国リーグで活躍を続け、その後に移籍した北京国安では、2020年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)FC東京戦で決勝ゴールを決め、同クラブ初の大会ベスト8進出を阻止した選手として、FC東京のファンに記憶されています。
スピードのある飛び出し、左サイドからディフェンスを抜き切らずに右足でシュートを打つプレースタイルは、往年の元フランス代表FWティエリ・アンリ氏を彷彿とさせます。
■ティアス・ブラウニング(DF/27歳/広州FC/イングランド出身)
プレミアリーグのエバートンでプロデビューし、ウィガン、サンダーランドなどでプレー。サンダーランドではレギュラーとして活躍し、その後2019年に中国1部広州恒大へ加入しました。彼の中国デビュー戦はACLのサンフレッチェ広島戦となっており、当時2-0で広州恒大が勝利を収め、幸先の良いスタート切りました。
身長187センチの上背とスピードを持ち合わせ、中国史上最高のセンターバックという声も上がるほど期待されています。そして今回招集されている帰化選手のうち、唯一のDFです。
ちなみに、今やスコットランドの名門セルティックの“王”となった古橋亨梧選手は、ヴィッセル神戸時代の2020年11月にACLで彼と対戦し、見事アンドレス・イニエスタ選手のアシストから得点を決めています。今回も絶好調の古橋選手に期待したいと思います。
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。