「少しでもサッカーに近い感動を」 ウイイレプロゲーマーが見据えるゲームとスポーツの未来
プロeスポーツ選手として活躍するKaraage サッカーは「特別なスポーツ」
サッカー好きであれば、ほぼ誰もが知っていると言っても過言ではない人気ゲームが「ウイニングイレブン」(略称:ウイイレ)だ。今秋には「eFootball」として新たな一歩を踏み出すことが決定しているが、日本サッカー界における存在感は変わらないだろう。プロゲーミングチーム「SCARZ」所属で、選手兼インフルエンサーとして横浜F・マリノスeスポーツから「ウイイレ」大会とイベントに出場・出演するKaraageは、eFootball Open 2020日本代表として活躍するなど、同タイトルの競技シーンをけん引している。子どもの頃からサッカーに親しみ、自身も高校時代までプレーしてきた立場から、サッカーとeスポーツの相互的な盛り上がりの可能性について語ってもらった。
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――Karaage選手は高校時代まで自身でもサッカーをプレーされていました。eスポーツ選手として活躍する今、サッカーへの思いはどのようなものですか?
「学生時代に長くやっていたスポーツですし、選手としてプレーするのも、観戦するのもすごく好きです。ワールドカップやJリーグも含めて、1人のファンとしてサッカーからさまざまな感動や興奮をもらってきましたし、特別なスポーツですね。今はeスポーツの中でもサッカーゲームをメインにしている立場として、少しでもサッカーに近い感動を与えられたらうれしいなと感じています」
――その中で、現在はサッカーの名門であるF・マリノスと深く関わって活動されています。
「サッカーが好きな方は皆さんそうだと思いますが、私もプロサッカー選手やサッカークラブへの憧れ、リスペクトがあります。サッカーゲームのプレイヤーもリアルサッカーを愛する人が多く、私自身もそうです。特にF・マリノスに関しては、実は小さな頃から一番好きで応援していたクラブ。どこでもよかったというわけではなく、F・マリノスが一番よかったんです。
世代的に中村俊輔選手や中澤佑二選手がいた時からF・マリノスが好きで、もちろん今もずっと応援しています。一番好きなクラブの代表として大会やイベントに出させていただくことは本当にうれしいですね。それと同時に、F・マリノスはサッカー界で強いクラブとして知られていますし、大会でサポーターの方の目に留まった時、みっともない試合をしないように、しっかり勝利を意識してやらないといけないという責任感も持っています」
――クラブとの幸せな関係性が生まれているのですね。
「1人のサポーターになることしかないと思っていたので、まさかこういった形での関係になるとは……。F・マリノスがeスポーツに可能性を感じて、力を入れてくださっていることに感謝しないといけないですし、今後は他のJリーグクラブも一体となって盛り上がっていければいいと思います。海外ではサッカークラブがeスポーツに参入する例も珍しくないので、日本でもそういった未来があるといいなと思っています」
――Karaage選手は「ウイイレ」の日本代表も経験されています。特にサッカー界で“日本代表”という言葉は特別な意味を持つと思いますが、自身ではどのように捉えていますか?
「なかなか言葉にするのは難しいのですが、仲間のおかげだと思っています。大会で結果を残したりすることが増えてから、ウイニングイレブンのトップ層の人たちとのつながりが本当に密接になり、普段の練習環境も良くなりました。周りの人と切磋琢磨して自分を高められる環境になったので、自分もレベルアップできた。自分1人ではなく、周りのトッププレーヤーの人たちに支えられているという、感謝がすごく大きいです。
日本代表になるまでは国内の大会中心で、他の選手たちとはライバル同士の関係でした。しかし、日本代表として海外の選手と戦うことになり、それまで戦ってきたライバルたちから“日本の選手”として応援してもらえるということが、すごくうれしかったです。同時に『絶対に勝ちたい』と責任感も生まれました。国内大会以上に“応援されている”という感覚が強かったですし、誇らしいなと思いましたね」