「自分の限界を作らない」 町田MF吉尾海夏、“得点力覚醒”を呼んだ心境の変化
レンタル期間延長に込めた決意「まだまだやり残したことがある」
クラブ史上初のJ1リーグ昇格を目指すFC町田ゼルビアは、29日にホームで行われるJ2リーグ第27節でヴァンフォーレ甲府と対戦する。自動昇格の2位以内を目指すうえで重要な一戦のキーマンの1人が、チーム内得点王のMF吉尾海夏だ。「自分はもっと上に行ける」――。飽くなき向上心を持って、成長を続ける23歳のレフティーを直撃した。
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横浜F・マリノスのユースで育った吉尾は、2017年にトップチームへ昇格。2年目の18年にはアンジェ・ポステコグルー監督(現セルティック監督)の下でJ1デビューを果たし、ベガルタ仙台への期限付き移籍を経て、20年から期限付き移籍で加入した町田でプレーしている。
今季を迎えるにあたっては、レンタル期間を1年延長する形となったが、そこには吉尾の強い決意が垣間見える。
「1年目に関しては、あれだけ多くの試合(リーグ戦33試合で3ゴール)に使ってもらったなかで、結果を残せず、まったくチームの力になれなかった。2年目の話をいただいた時に、まだまだやり残したことがあるなと思いましたし、ゼルビアで試合に出続けられたら、選手としても、人としても成長できるなと思いました」
勝負のプロ5年目は、ここまで25試合に出場して、チームトップにしてシーズン自己最多の7ゴールをマーク。開幕前に立てた「7ゴール7アシスト」という目標のうち、得点に関しては前半戦だけで達成した。4月18日のJ2第8節V・ファーレン長崎戦(3-0)で今季初得点を含む2ゴールを挙げて「肩の荷が下りたというか、心の余裕ができた感覚がありました」と明かすが、6月27日の第20節愛媛FC戦(5-0)でプロ初のハットトリックをマークするなど、アグレッシブにゴールを狙う姿勢が結果につながっている。
「去年は少し考えすぎてしまったというか、ゴール前でパスを選択するような消極的なところがあって、なかなかゴールという形で結果が残せませんでした。だから、今年は考え方を変えて、多少強引でもシュートで終わろうと。キャンプの時からゴールにこだわっていましたし、結果も伴って自分の中では良い感覚がありました。愛媛戦のハットトリックは、間違いなく自分にとって大きな自信になりました。ただ、逆に言えば、もっともっと自分は力を出せるなと思った試合でもありました」