“ガラスの天才”、29歳で無所属生活の危機 「どうしてどのクラブもほしがらないのと…」
ウィルシャーは自身の負傷歴があまり知られていない海外でのプレーを希望
ほとんどのプロサッカー選手は、30歳を前に現役を引退することになるという。だが、16歳という若さで、アーセナルでデビューを果たした元イングランド代表MFジャック・ウィルシャーが、30歳を前に引退を考慮せざるを得なくなっている現状は驚きでもある。英紙「ザ・サン」が、「天才」の名をほしいままにしていたウィルシャーの現在を報じた。
昨シーズン限りでチャンピオンシップ(英2部)のボーンマスとの半年契約が満了したウィルシャーは、2021-22シーズンが開幕しても無所属のままだ。ウィルシャーは妻に、自身が現役を引退して、指導者に転身するべきかもしれないと相談したという。だが、ウィルシャーにとって、最も難しいのは4人の子供たちからの質問だ。
英メディア「The Athletic」のインタビューで、「僕の子どもたちは、様々なことを理解できる年齢になった。特に9歳になった長男はね。彼は僕との会話で『MLSはどう?』『なんでラ・リーガに行かないの?』といったことを言ってくるよ。彼はサッカーが好きで、サッカーのことは何でも知っている。そんな彼に説明するのは難しい。彼は僕に『どうしてどのクラブも父さんをほしがらないの?』と聞いてくる。僕も分からない。それを彼にどう説明したらいいと思う?」と、自宅での会話を明かしている。
また、子どもが学校の同級生たちから「君のお父さんはどうして仕事していないの?」「良い選手じゃなかったの?」「サッカーが上手くないの?」と聞かれていることについても把握しているとして、「それがきついね」と語った。
16歳でアーセナルのトップチームに昇格し、プロデビューを果たしたウィルシャーは、海外でプレーする希望を持っているようだ。
「これまでも言ってきたけれど、僕は海外移籍にもオープンだ。むしろ、海外に行きたいのかもしれない。違うことを試したいんだ。それが僕にも、僕の人生にも、家族にもいいと思う。人々やクラブやファンが『お、ウィルシャーだ。また怪我するぞ』とか『5試合プレーしたら、それで終わりだろう。無駄な投資だ』と思わない場所に行って、新たなスタートを切ることがいいと思う」
アーセン・ベンゲル監督の後任となったウナイ・エメリ監督に、トップチームでプレーする保証をもらえずに、怒りに任せてクラブ退団を決意したというウィルシャー。まもなく30歳となる元スター選手は、再び輝ける場所を見つけられるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)